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「うお、マジでAいる」
「A!大丈夫か!?」
がらりと開かれる扉。大人しく小説を読んでいたAは驚いて目を丸くする。
静かな病室を一気に賑やかにした犯人は九井と乾だった。
「ココくんとイヌピー…?どうして此処に?」
「真一郎くんから聞いた、傷は?どうなった?何があった?」
質問攻めの乾に九井が少し落ち着け、と宥める。
「ン、フルーツ食える?持ってきた」
「わーい!大好き!ありがとうココくん!」
「…おー」
九井の頭にはAの発した"大好き"しかなかった。
「何食べてぇ?」
「どれも美味しそうだけど…やっぱり林檎かな」
「わかった、俺剥いてくる」
「…イヌピー大丈夫かな」
そう言って林檎を掻っ攫い、乾は病室を飛び出した。
九井とAだけの空間。九井は腕を胸の前で組みながらAをチラリと見る。
「んで、マジなんでこんな大怪我したんだよ?」
「ん〜、簡単に言うと…チームの抗争に巻き込まれた…?」
「ハア!?何処と何処の!?」
「うわ、びっくりした…」
いきなり大声を出した九井に驚いたAは肩を震わす。その様子を見て九井は悪い、と謝った。
「東京卍會と愛美愛主」
「愛美愛主って…頭だった長内抜けたとこだよな?」
「そうそう、不良界隈のことよく知ってるねココくん」
…一応九井も黒龍のメンバーである為、知っているのは当然だがAは九井が黒龍なのを知らなかった。
「…俺らが守ってやろーか?俺のとこのボス異次元につえーから大概の危険からは守れるけど」
「ボス…?社長ってこと?ココくんすごいね」
「違ェーよ」
九井は黒龍の総長、柴大寿に相談しようかと考えていた。勿論タダでとは言わず、Aの為なら何万でも出そうと決心していた。余談ではあるがAと柴大寿は一度会ったことがある。
「悪ィ、中々包丁がなかった」
「いや普通は看護師とかに頼むんだよ、イヌピー」
「そうなのか?ココは物知りだな」
乾が皿に盛られた林檎を手に抱えて戻ってきた。そのままAに近づき、指で林檎の欠片を摘むとAの口元まで運ぶ。
「ほら、食いたかったんだろ林檎」
「じ、自分で食べれるよイヌピー」
「ココが買ってきた奴だから美味いと思うぞ」
全然話を聞かない乾にAと九井は顔を見合わせ、Aは観念したようにそのまま口へと含んだ。
「…ほんとだ、すっごく美味しい!」
「だろ?千疋屋で買ってきたからな」
「ココくんて富豪なの?」
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まる(プロフ) - ドンさん» 応援していただけて嬉しいです( ; ; )更新頑張りますので今後ともよろしくお願いします…! (2021年10月5日 21時) (レス) id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
ドン - まるさん» 分かりました、更新頑張ってください応援してます! (2021年10月5日 19時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - ドンさん» コメントありがとうございます!夢主は自己投影して頂ければ嬉しいです…(^^) (2021年10月3日 20時) (レス) id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
ドン - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2021年10月2日 12時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 癒し系猫さん» 恥ずかしい( ; ; )変換ミスです💧教えてくださりありがとうございます( ; ; ) (2021年10月1日 17時) (レス) id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まる | 作成日時:2021年9月25日 20時