○○【KMF2】○1○ (ページ23)

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°○ずきずき○° ページ23

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暗闇なのに、なぜかわかった。
健永が女の人と抱き合って、キスをしているのを。
…見たくなかった。
目あんまりよくないのに、なんでわかったんだろう。

帰り道、近道の公園に寄ったら見た光景。
足が止まったら足元から変な音がして見てみると、ヒールが折れてた。
こんなんじゃ歩けないじゃない。
靴を両足脱いで、素足で帰った。

コンクリートが痛かった。
心も足もずきずき。なんだこれ。

何もする気にならなくて化粧を落としてシャワーだけで済ませてベッドに入った。

うとうとしはじめたときにケータイが鳴った。

発信者は健永。この音は健永にしか設定してないからすぐわかる。
電話は毎日してるけど、なんだか声を聞きたくなくて、まともに話せない気がして、電源を切って目を閉じた。

アラームが鳴らなくて起きたのは昼過ぎ。
そりゃそうか。電源切ったんだから。
仕事だと思って飛び起きたけど、土曜日じゃん。

ケータイの電源を入れたら健永の着信で通知が埋まってた。
通知を見終わった瞬間に健永からの着信。

A「…なに」

健永『やっと繋がった!

お前今何処にいんだよ!!』

A「家だけど」

健永『すぐ行くから絶対待ってろよ!!』

断る間もなく切られた。
ボサボサ髪の部屋着のままじゃん。

身支度しようとしたら扉が開く音がした。
そういえば合鍵渡してたんだっけ。
私の容姿を見て一瞬驚いてたけどすぐに近づいてきた。

健永「なんで電話出ないの?」

A「別に、なんだっていいでしょ」

なんでこんな態度悪いんだろ、私。
ほんとかわいくない彼女。

健永「どうした?

もしかして、昨日の公園で見てた人ってAなの?」

ほんとに公園にいたんだって思ったら涙が出てきた。
健永がキョドってる。

A「浮気…でしょ?

私が…かわいくないから」

健永「は?なにいってんの?

んなわけないじゃん!
あれ、オカマだから」

A「は…?」

健永の話によるとオカマバーに無理矢理連れて行かれて気に入られて纏わりつかれたとかなんとか…

証拠に友人に勝手に撮られた動画まで見せてくれた。

健永「不安にさせてごめん」

A「私が勝手に誤解しただけだからいいんだよ」

健永「あいつのせいでAの足傷だらけじゃん…」

ぶつぶつ言いながら手当てをしてくれて、今度靴を買ってくれるって。
不安になることなんてなかったんだね。

健永、ありがとう。

恥ずかしいから、直接言わない。

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