○○【KMF2】○1○ (ページ16)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:6,465 hit

°○こそこそ○° ページ16

・

最近、今月はじまってからかな?
健永の様子がおかしくなりはじめた。

前までいっつもべたべたしてたのに、妙にそっけないし。
近づいても逃げられるし…
話しかけても上の空か生返事、ひどいときは無視。

もしかして、倦怠期ってやつ?
でもそれってお互いの同じ状態で倦怠期っていうんだよね?
私なにか健永の気に障るようなことしちゃったのかな?
いろいろ探偵みたいに考えるけどぐるぐるするだけで結論がみえてこない。

A「ねぇ、最近なんか変だよ?
具合悪いの?」

夕食のとき聞いてみた。

健永「いや、ちょー元気だけど？」

A「じゃあ、なんか隠してる?」

1番聞きたかったことを聞くと、飲んでいたお酒を思いきり吹き出した。

A「ちょっと…」

布巾を洗って戻ってくると百面相している健永。
これはなにかあるなって思ったけど、また今度聞こう。

それから1週間経って。
今度こそと思っていたら真剣な顔で話があると言われた。

やっぱり別れ話?
急に不安になってきた。
着替えてくると言って寝室からなかなか出てこない健永。

やっと出てきたと思ったらなぜかスーツだった。
床に正座で向かい合って座る。

A「どうしたの?」

健永「A、誕生日おめでとう」

A「えっ…?」

すっかり忘れてた。
誕生日忘れてたのってはじめてかもしれない。

健永「Aの今年の誕生日プレゼントは、俺の苗字。
俺の苗字をあげる!!
俺の両親からもAの両親からも許可はもらってる。
あとはAの返事次第」

急に信じられないことが健永の口からぽんぽん出てきてぺらぺらしゃべってる。

健永「A、俺と結婚して。
婚姻届、一緒に書こう。
失敗してもいいように何枚ももらってきたよ」

婚姻届の言葉でやっと、私はプロポーズされてるんだってわかった。
今までの私が馬鹿みたい。
なにもかもおかしく思えて。
わんわん泣きながらけらけら笑ってた。

健永「A!?大丈夫?」

涙で霞んでる健永は、泣き笑いしてる私の背中を一生懸命摩ってた。

“よろしくお願いします。苗字もらいます。”
って言った私の声は震えてて。
そしたら今度は健永が笑ってた。

ゆっくり丁寧に2人で婚姻届を書いて。

プロポーズのことは絶対に知られたらいけないから、私との接触を避けていた。
話をしているときもぽろっと出ちゃうといけないから話さなかった。
そう話してくれた。

健永、ありがとう。

「愛してる」

・