°○くりくり○° ページ14
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「遅いね…、君のご主人様」
健永が日本を発って1週間とすこし。
もちろんお仕事。
当分帰ってこない。
時差もあるから、健永が今何をしてるのかもわからない。
寂しくなるから連絡取ってないし。
まず繋がるかわかんないし。
…送れなくて返ってきたらこわいんだもん。
残された家には
私1人と、お留守番している健永が愛してやまない子。
くりくりのおおきな瞳で私をみつめて首をかしげる。
A「わかんないか…」
そっと抱きあげて抱きしめる。
あたたかくてとても気持ちいい。
座っていたソファーに1人と1匹でごろんと寝転がった。
ふかふかのソファーでぬくもりを抱きしめて眠くなってきた…。
うとうとして意識を手放す直前に、ドアの開く音がした。
私、ちゃんと鍵閉めたよね…?
急いでぬくもりを抱いたまま玄関に向かうと、健永が立っていた。
寝ぼけてるのかな…?
すっかり眠気で細くなった目をしょぼしょぼ擦る。
健永「なに、なかよくお出迎え?
…眠いの?笑」
ふわっと香水が香った直後に全身が包まれた。
A「夢…、じゃないの…?」
健永「なにいってんの、こっちで仕事あるから1回戻ってくるって言ったじゃん。
忘れちゃった?」
耳元で優しく囁かれて、夢じゃないんだってわかった。
私の腕のなかでもがいてするりと腕から抜けていったあの子。
私と健永に挟まれたからだろう。
だらりと下がった腕を、そっと健永の背中にまわす。
A「おかえり」
健永「ただいま。
なんで連絡くれなかったの?
寂しかった」
眉を下げて私の顔を見る健永は、おめめくりくりのあの子にそっくりで
本当に飼い主に似るんだなぁ…って、くすりと笑った。
A「送れなかったからどうしようってこわかったの、ごめんね。
忘れてたのも…ごめんなさい。
でも、しばらく会えないと思ってたから…
帰ってきてくれてすごく嬉しい。
ありがとう」
かまってほしくて足元にすりすりしてきたあの子を抱きあげて抱きしめる。
A「君はご主人様そっくりだね」
健永「似てるか?
Aの方がそっくりだよ。
ほら、今だって、目そっくり。
うるうるさせて“寂しかったよー”って。
それにAだってご主人様じゃん」
A「そっか」
突然シャッター音が聞こえて顔を上げると、健永がケータイをかまえていた。
撮られちゃった。
健永「顔上げるタイミングも一緒笑」
健永が幸せそうに、笑った。
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作者名:lovenectar | 作成日時:2015年8月5日 17時