°○ぎこぎこ○° ページ11
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「A!」
靴を履き替えて校門に向かって歩いていたら、後ろから片思いしてる健永くんの声がした。
最近なかよくなれて、はじめて下の名前で呼ばれたときは、顔隠すの必死だったっけ。
まだ慣れないよ。
A「健永くん、どうしたの?」
健永「よかった、追いついた!
一緒に帰ろっ」
A「でも、健永くん自転車でしょ?
私歩きだよ?
自転車下りて帰るの大変だし…」
健永「俺が一緒に帰りたいのっ!
Aは1人で帰りたい…?」
しゅんとして捨て犬みたいな健永くん。
全力で首を横に振った。
健永「よし、後ろ乗って!!
放課後デートだぁー!」
デート!?
そんなこと簡単に言っちゃだめでしょ…
A「失礼します…」
健永「さぁデートの場所へしゅっぱーつ!!」
学校の王子様の自転車の後ろなんて特等席なんだろうな…
こんな私が乗っちゃって…
重いであろう私が乗っても軽々とペダルを漕ぎだした健永くん。
健永「もうすぐ下り坂だからしっかり掴まってて!」
無理だよ…!
制服ちょっと掴むだけでも心拍数が…
健永「もう!ちゃんと掴まっててってば!!」
ぐっと手を引っ張られて無理矢理お腹に手を回された。
お腹…!!
お腹触っちゃってる…
うぅ〜…ばくばく…
伝わりませんように…
緩やかな下り坂。
なびく髪。
心地よい風。
健永くんがペダルを踏むたびぎこぎこと一定のリズムで聞こえてくる。
健永「ごめんね、うるさいでしょこの自転車。
もうそろそろ着くから、それまで我慢して」
A「ううん、大丈夫だよ…」
その音がなんだか心地よくて、そっと目を閉じた。
健永「とうちゃーく!」
着いた場所は小さな公園。
健永「プレゼントがあるからどっかで遊んでて!
絶対みちゃだめだよ!」
プレゼントなんていいのに…
何くれるんだろう…
ブランコだ、あれ乗ろう。
久しぶりだなぁ、何年ぶりだろう。
はじめはきこきこ漕いでたけど、1人だとつまんない。
健永「できた!
Aおいで〜!」
草の絨毯に座ると、健永くんが出したのはシロツメクサの冠、首輪、腕輪、指輪。
A「ありがとう…
これ、全部健永くんが作ったの?」
健永「うん、そうだよ。
昔からよく作ってたんだ。
男だから変かもしれないけど」
告白…考えて頑張ってみようかな…
帰り道、心地よいぎこぎこを聞きながら少しだけ腕の力を強めて、指輪をそっと撫でた。
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- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名：lovenectar | 作成日時：2015年8月5日 17時
