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炎天下のもと、草を木を掻き分ける音だけが耳に入る。汗が目に入り、じんわりと痛みが広がった。
気にしないようにと目元を拭い、ひたすら前だけを向く。
こんなに物事に対して必死になったのは初めてだった。
汗を掻き、髪が乱れるのも気にせず生垣に上半身を突っ込む。下校途中の生徒が何事かと訝しげに此方を見ては去っていくのが昔のようで、わたしは随分と心地が悪かった。
一度生垣から身を引き、一緒に探してくれていた彼の方を見ると、自分と同じように額に汗を滲ませ、半袖シャツの首元を引っ張って扇いでいる。
「あ、大先生や。」
「おー、ショッピくんやん。部活終わり？」
「…んや、まだ休憩っす。大先生こそこんな汗だくんなって何してるんですか、珍しい。」
「あー、女の子の探し物手伝っとんねん。黄色の、ちっさい小袋らしい。」
盗み聞きをしていることに多少の罪悪感を感じる。
…いや、耳に入ってくるだけ、致し方ない。と、再び生垣と見合う。
まだ中身の確認もしていないそれを、無くすわけにはいかないのだ。例え熱中症で倒れようとも、あれだけは手元になければならないと、強く思った。
「あー、え？もしかしてこれっすか？」
「え。」
困惑したようなふたつの声に、思わず振り向く。
此方を見ていた鬱さんが「Aちゃん！」とわたしを呼ぶ、同じ体制で居たからだろう、痺れた足を叱咤してそちらへ駆けた。
見知らぬ男の子…ジャージに入った刺繍は黄色、恐らく後輩だろう。「紫苑」と縫われたそれを見つめ、顔を上げると、なんとも整った顔が少し驚いたように此方を見ていた。
「…えー、めちゃくちゃ綺麗って1年の中で有名な人やん。大先生こんな綺麗なひとで女遊びとか、ほんまぐうクズですね。」
「ちゃうわ！Aちゃんは俺のタイプちゃうねん。」
「それもそれで失礼ですよ。あ、もしかして探し物してるのってA…先輩です？」
「そう、です。」
目の前で繰り広げられる彼らの応酬は、生徒会ツートップのそれと随分似ていた。
鬱くんも生徒会のメンバーだったと思う、もしかしたらこの一年生の彼も──。
「あ、自己紹介忘れてましたね。一年生徒会役員のショッピっす。先輩の落とし物ってこれですか？」
「…あ。」
予想通り、生徒会役員と名乗った彼が手に持っていたのは、正真正銘わたしの探し物だった。
薄い黄色のビニール製の小袋、ショッピさんの手元できらきらと透けるそれの中身はなんだろう。
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。ﾏﾙ(プロフ) - 星空さん» コメントありがとうございます◎わ〜とてもうれしいです！たくさんきゅんを摂取していってくださいね！ゆっくりにはなりますが、更新の方頑張りますので、ゆるっと応援お願いします。 (2020年8月20日 6時) (
レス) id: 67fc3fdd24 (このIDを非表示/違反報告)
星空(プロフ) - もうめっちゃ心臓がキュンってします……！！好きですありがとうございます(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o)))私もこんな青春したい(´；ω；｀)この小説でドキドキ摂取してます(？)これからも無理せずに更新頑張ってください！応援してます！ (2020年8月19日 3時) (レス) id: df42e0e9d5 (このIDを非表示/違反報告)
。ﾏﾙ(プロフ) - デデドン！さん» コメントありがとうございます◎ゆるゆるになりますがこれからもがんばります…！ (2020年8月13日 22時) (レス) id: 67fc3fdd24 (このIDを非表示/違反報告)
。ﾏﾙ(プロフ) - トドルゴンさん» コメントありがとうございます◎ほんとうですかうれしいです〜！(T . T)きっと心臓きゅって掴んだまま離しません！どうか引き続きよろしくお願いします。 (2020年8月13日 22時) (レス) id: 67fc3fdd24 (このIDを非表示/違反報告)
デデドン！ - めちゃくちゃ文が綺麗で好きです、、これからも頑張ってください！ちゅっ！！ (2020年8月13日 21時) (レス) id: 2c8648c87a (このIDを非表示/違反報告)
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