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「後にプリンになるなんて」 ページ5
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ぼーっと音駒の練習風景を眺めるA。
「見学していかね？いや、強制な！」と黒尾に言われれば、モヒカン頭の山本が先輩命令に扱き使われて出してくれた椅子に座らせられた。
しばらくすると、目に飛び込んできたのは最近金髪になった孤爪研磨だった。
「研磨！？」
「……Aってバレーするの」
じいっと見つめられるその目は猫さながら。
鋭い観察眼を持つ孤爪に全てを見透かされそうだと悟ったのはつい先日の合同体育だったか。
「まあ、しよったって感じやけど」
「……怪我？」
「そ。腰やった」
Aの隣りにのそのそと体育座りをした孤爪は、徐に体育館の壁に頭を預けた。
自然と孤爪を見下ろす形になったAは、人のつむじを久しぶりに見たことに心震わせた。
「おい研磨、何サボってんだ！」
ずるずるずる。
そんな言葉がお似合いだろう。
黒尾が孤爪を引き連れてコートの中に戻した。
「サボってないし」
「いーや、サボってた」
「サボってない」
「サボってた」
「(そういや関西にもあんなのおったなあ)」
「サボってない」
「サボってた」
物心ついたときからずっと一緒にいた幼馴染たち。
なぜ東京に出たのか、彼らに話さずに出てきて早1ヶ月。
そろそろ現実を受け止めて、新たな一歩を踏み出すべきか。
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作者名：まるすけ | 作成日時：2021年12月30日 0時
