【REBORN】静かなる大空は必要とされたい（日常編１）

標的２９…三浦ハルちゃ…さん（３） ページ31

続き


リボーンは同心術を体得しているのだが、歩美はそれが効きにくく聞こえずらい…何を考えているのかがわからない

しかしそれでも…リボーンは、歩美を家庭教師の義務ではなく、リボーン本人として止めるべき言葉をかけねばと心から思った


先ほどの言葉はとっさに出たものだったが、歩美は自分自身を否定させることを恐れる…ゆえに、歩美自身の肯定と居場所を示すことで、落ち着きを取り戻そうとした

歩美はリボーンの言葉に、未だ顔は青白く目に涙はたまっているものの…そのうるんだ目に光が戻り、その焦点もしっかりとリボーンに向いている


そしてわずかに体をわずかにこわばらせたまま、この事件の原因たるハルに視線を向ければ…



ハ「Σひっ！あ、あの…っ、その…」



先程の歩美の恐怖が抜けていないようで、顔色が良くなっていく歩美とは反対に顔色が悪い…そして歩美もまた、吹っ切れてはいない

一歩…また一歩とハルから後ろへと距離をとり、登校中だということも忘れて学校からは正反対の自宅へ逃げるように走る


リボーンは歩美の肩に乗ったまま、何も言わない…


家に…は、帰らず…途中にある公園に立ち止まると、入口から見ずらいすべり台の影に膝を抱えて座った

そんな歩美を…リボーンは何を言うわけでもなく、ただ見つめていた…彼らしくなく、何を言っていいのかわからなかったから



『っ…っっ……うぅっ…り、ぼぉんっ…』

リ「…なんだ」

『わ、たしは…おかしぃん、です……ふつぅじゃ、ない…』

リ「ああ。あいつから聞いてるぞ。お前は子供の時から子供らしくなくて、誰からも不気味がられるほど…まるで同い年のようだったってな
でもな…お前は、沢田歩美はオレの生徒だ。オレがお前のかてきょーである限り、オレはアユを信じてんだぞ」

『……きっ、と…話を、聞いても…頭が、おかしぃだけ…だって…思う…』

リ「聞いてやるぞ。お前が聞いてほしいっつーなら、どんなおしゃか話だって笑って聞いてやる。生徒であるお前の話を、かてきょーのオレが信じてやらなくてどうする？
まあ、いつでもいいぞ。話したくなるくらいまでなら待っててやる」

『っ……ありがとう…リボーン』



こんな私を、信じてくれて…


涙を袖で拭って立ち上がった歩美は、リボーンを抱えて再び自宅に向かって歩き出す…


自分を信じてくれた大切な恩師に、自分自身の真実を伝えるために…

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