【リボーン×ブリーチ】月明かりの少女は夜空に舞う《破面編Ⅲ》 (ページ13)

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第百十二番目((続けて注意！ページ13

続き

しかし周囲の二人の驚きは、確かにウルキオラのことではあったが…実際はその背後にあった

『……間に、あった…です』

ウルキオラの背後…正確にはその背に張り付く形でいたのは、虚の仮面を頭に着けたA…その手には銀色の炎が灯っていた

そんなAの後には、ここまで送ってきた武が不安げにAとウルキオラを見つめていた

ウル「貴様…俺に何をした」

『私の中にある虚の霊力と治癒の特性を持つ炎を同時に流し込んで、身体の崩壊を抑えたんです』

ウル「……なぜ…俺の崩壊の原因は、ダメージを受けすぎたことによるものだと…」

『勘、です！』

ウル「……勘…」

伝えられた突拍子もない返答に驚きながら、完全に止まった灰化に手の反応を確認する

『けど、身体を保つためとはいえ…私の虚の力を入れたから、もう今までみたいに戦うことは出来ないかも知れないんですけど…』

ウル「……なぜ、俺を助けた？」

『助けたかったから…人を殺すのには理由が必要ですけど、人を助けるのには…理由なんていらないんです』

そうして微笑むAから、安心したのか涙ぐむ井上に視線を向け、同じく安心したように顔を緩ませる一護を見た

一「なんだ？まだ…戦うのか？」

ウル「……いや…もういい」

藍染の役に立ちたい…

それと同時に、ウルキオラの中に生まれた別の“感情”が、それを思いとどまらせた

そんなウルキオラの手を…それぞれ、井上とAが優しく握る

そこからじんわりと…伝わってくる暖かさが、ウルキオラに理解できなかったものの姿を映し出す

そうか…これが、そうか…

その掌にあるものが…

心ーー

(存外…悪くない)