第九十七訓 ページ6
Aサイド
ある日…
その日する事を全部終えて特にすることもなかったから、大通りすぐ横の細い路地にしゃがみ込んでにゃんこを触っていた
時代も人も変わって、それでも変わっていないものを見つけると…つい嬉しくなって頬が緩む
そんな時だった…
「ねぇ、あなた…大丈夫?」
そんな…優しげな声がすぐ真上から降ってきて、Aに言っている事に気づいて顔を上げる
そこには…薄茶色の髪をした、声と同じく優しげな表情をした女の人で、自然とソーゴの顔がチラついた
「こんな所でうずくまって…具合でも悪いの?」
『……平気…です』
「…そぅ、よかった」
女の人はAを心配して声をかけてくれたみたいで、全く嘘をついている様子はなくて…太陽みたいな暖かさを感じた
『…ありがとぅ……ぇと…』
「あ、私は、沖田ミツバって言うの。あなたは?」
『…高杉A…です』
ミ「Aちゃん?って言うのね
ふふ、Aちゃんによく似合う、可愛らしい名前ね」
よく似合う、可愛らしい…
名前をそんな風に褒められた事はなかったけど、実際言われるとちょっとだけ恥ずかしくなった
けど…アノ人達につけられた名前を褒められても正直嬉しくないし、逆に嫌な気分になった
この人が悪いわけでもないのに、不機嫌な顔をみせるのは嫌だったからうつむくと、ミツバさんは更に心配そうに声をかけてくれた
そんな時…
「姉上!」
ミ「あら、そーちゃん」
地面を早足で叩く音がそばで止まって、Aの前でミツバさんと話してる
「急にいなくなって…僕、心配したんですよ!?」
ミ「ごめんなさい、そーちゃん」
相手はミツバさんを姉上って言ってたから、ミツバさんの弟なんだろうけど…
「いえ、謝らないでください!姉上が無事なら、僕はそれで…」
この声…
ミ「ふふ…心配してくれてありがとう、そーちゃん」
姉上って言った事からわかる同じ苗字…
「そ、そんなこと…///
…ん?姉上、そいつは…?」
ああ…どうしてミツバさんにソーゴの姿が重なって見えたのか、わかってしまった
ミ「あ、そうだわ。この子は…」
『よく…知ってるはず……ソーゴ』
そう言って、今までしゃがんでうつむいついたから、ソーゴからは見えていなかっただろう顔を上げて立った
おかげで見えたソーゴの顔は、Aを見て驚愕に染めていた
『久しぶり…ソーゴ。いい…散歩日和…だね』
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堕天使 - 面白かったです。更新頑張って下さい (2016年9月11日 0時) (レス) id: da9a796715 (このIDを非表示/違反報告)
桜子 - おもしろかったです、更新待ってます (2016年8月31日 15時) (レス) id: 6d3bb9a613 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜☆(プロフ) - gumliaさん» gumliaさん、指摘ありがとうございます!更新の方も頑張ります!! (2016年5月18日 19時) (レス) id: cb146d85e2 (このIDを非表示/違反報告)
gumlia - 指摘ですが「貞春」ではなく「定春」ですよ。これからも更新頑張ってください! (2016年4月23日 1時) (レス) id: 5dbab745da (このIDを非表示/違反報告)
坂田 花恋(プロフ) - キャラと言いお話と言い・・・すごく面白いです!!!高杉様と妹さんの絡みが好きです♪笑更新頑張ってください!!!!!いつまでも応援してます! (2016年4月10日 21時) (レス) id: 74d544e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十六夜☆ | 作者ホームページ:http://maru1215
作成日時:2016年3月9日 23時