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第百三十六訓 ページ46

続いて?サイド


目を覚ませば、俺の視界は真っ白だった…


けれど、いつものように見えていた人から放たれる光の花火は見えず、その代わり…いつにもまして光を感じた


すると、自分のすぐ側に人の気配を感じて顔をずらせば…眠っている少女の“姿が見えた”


姿が見える…それは人にとって当たり前のことだが、目の見えない自分にはあまりに衝撃的なことだ


そして、俺の動揺に気づいたようで、眠っていた娘が目を覚ました


その娘は俺を見ると、目を涙で潤ませ…微笑んだ



『…おはよう……以蔵』

似「……ぁ、ああ」

『リンゴ…あるよ?』

似「…リンゴ?」

『うん…似蔵の目と…同じ色』



俺の目…

そう言われて気がついた
いつもは鉛のように重かった瞼が、開いていたのだ…

そうか…俺は本来、赤い目を持っていたいんだな


動揺を隠せずにいた俺を見た娘は、困ったように眉を下げた



『紅桜の…せいなのか……Aの…せいなのか…』

似「……あんた…A…なのかい?」

『…そうだよ。目が見えて…からは…はじめまして…だね
鬼兵隊…副総督…百鬼姫…兄様の妹…高杉A…です』

似「…やっぱり、そうなのかい」

『…失望…した?』



娘…Aは不安げな顔で聞いてきた


俺は、少し下がっていたAの頭に手を乗せる
ああ、よかった…腕もちゃんと治っているようだ



似「目が見えようが見えまいが、あんた達について行くと決めたのは俺なんだ
失望なんてするわけがないだろう?」

『…ほんと?
鬼兵隊…やめたり…しない?』

似「ああ。俺の居場所はココしかない」

『…よかったぁ』



Aは言葉通り、心底嬉しそうな顔で俺に微笑んだ


すると、部屋の入口からあの人が…晋助さんが姿を現した



高「目ェ覚めたか…似蔵」

似「ああ…お陰様で
それにしても、よくあんたが俺のことを生かしてくれてたもんだね」

高「Aがどうしてもって言うもんだからなァ…」



晋助さんにそう言われて視線を戻せば、Aは目を輝かせて俺を見た



『似蔵!目…いつから見えて…なかった…?』

似「いつだろうなァ…大分昔だから」

『じゃあ、一緒に…見に行こう…!?』

似「…一緒に?」

『うん!一緒に…世界を…見よう!』



そう言って笑った彼女の姿は、見えなかった頃と何ら変わらない…


不安定で、優しくて、暖かい…



似「ああ…そうしよう」



俺を救ってくれる光だ…

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設定タグ:銀魂 , 鬼兵隊 , オリジナル   
作品ジャンル:アニメ
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堕天使 - 面白かったです。更新頑張って下さい (2016年9月11日 0時) (レス) id: da9a796715 (このIDを非表示/違反報告)
桜子 - おもしろかったです、更新待ってます (2016年8月31日 15時) (レス) id: 6d3bb9a613 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜☆(プロフ) - gumliaさん» gumliaさん、指摘ありがとうございます!更新の方も頑張ります!! (2016年5月18日 19時) (レス) id: cb146d85e2 (このIDを非表示/違反報告)
gumlia - 指摘ですが「貞春」ではなく「定春」ですよ。これからも更新頑張ってください! (2016年4月23日 1時) (レス) id: 5dbab745da (このIDを非表示/違反報告)
坂田 花恋(プロフ) - キャラと言いお話と言い・・・すごく面白いです!!!高杉様と妹さんの絡みが好きです♪笑更新頑張ってください!!!!!いつまでも応援してます! (2016年4月10日 21時) (レス) id: 74d544e7e0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十六夜☆ | 作者ホームページ:http://maru1215  
作成日時:2016年3月9日 23時

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