第百二十訓 ページ29
また子サイド
とある日、A様と江戸の町を歩いていたときのこと…
『また子…あれ、なに?』
そう言って、不思議そうな顔でA様が指をさしていたのは…豪華な装飾が施された鉄の扉
私はそれを…答えたくない気持ちをいっぱいにして答えた
ま「ああ…あれは、吉原への入口っスね」
『吉原…って?』
ま「え、えっとぉ〜…っスね」
これは、教えてもいいことなんスかね…
けど、晋助様がA様にこんな事教えているわけないっスよね…
ま「吉原っていうのはっスね…江戸の地下に存在する遊郭で、《常夜の街》とも呼ばれているっス
住人の殆どが遊女達で占められていて、夜兎族の王にして春雨の幹部である《鳳仙》が治めている場所っス」
『常夜…遊郭…』
ま「以前は地上に存在していたみたいっスけど…って、どうかしたっスか?」
説明を続けようとすると、A様は何かを考えるように俯いていて…
『……ここが…遊郭』
ま「はい、そうっスけど…
Σ(・□・;)も、もしかして…A様は、遊郭を知ってるんスか?」
『…ちょっと』
ま「いつっスか、誰っスか!!A様にそんな不埒な事教えたのはァァァ!!」
『ま、また子ぉ…落ち、着いてぇ…』
ま「Σ(・□・;)ハッ!」
自分はいつの間にか取り乱して、A様にご迷惑を…!
鷲掴みにしていたA様の肩を離して、また一定の距離をとる
ま「も、申し訳ないっス!A様!!」
『ぅうん…平気
いつは…攘夷戦争時代。誰は…
辰兄が、行きたいって…
小太兄が、にゃんにゃんする…ところって…
銀兄が、知識ないとダメって…』
原因はあいつらっスかァァァ!!
すると、A様は私を上目遣いで見上げてくる
『また子…遊郭って…楽しぃ?』
ま「Σたっ、楽しくないっス!!
男はともかく、女は行ってもなんも楽しくないっスよ!!」
『そう…』
納得いかなそうに納得したA様を見てホッと息を吐く
するとA様は、また不思議そうに吉原への扉を見つめた
『けど、常夜なんて…変だね』
ま「へ?なんでっスか?」
『だって…明けない夜は…ないのに』
ま「……たしかに、不思議っスね」
明けない夜があるなら、それはきっと…太陽と呼べる存在がいないせいだからだと思った
後日…A様から遊郭の事を聞いた晋助様の、叫び声が聞こえたとかないとか…
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堕天使 - 面白かったです。更新頑張って下さい (2016年9月11日 0時) (レス) id: da9a796715 (このIDを非表示/違反報告)
桜子 - おもしろかったです、更新待ってます (2016年8月31日 15時) (レス) id: 6d3bb9a613 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜☆(プロフ) - gumliaさん» gumliaさん、指摘ありがとうございます!更新の方も頑張ります!! (2016年5月18日 19時) (レス) id: cb146d85e2 (このIDを非表示/違反報告)
gumlia - 指摘ですが「貞春」ではなく「定春」ですよ。これからも更新頑張ってください! (2016年4月23日 1時) (レス) id: 5dbab745da (このIDを非表示/違反報告)
坂田 花恋(プロフ) - キャラと言いお話と言い・・・すごく面白いです!!!高杉様と妹さんの絡みが好きです♪笑更新頑張ってください!!!!!いつまでも応援してます! (2016年4月10日 21時) (レス) id: 74d544e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十六夜☆ | 作者ホームページ:http://maru1215
作成日時:2016年3月9日 23時