戦場のメリークリスマス（青）

■ ページ16

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「もう、15年も前なんやね。」


『うん…そやね。』





さて。

どうして私は今《安田くん》の目の前で
抹茶クリームフラペチーノを飲んでいるのだろうか。


中2のときに、好きだった《安田くん》。
成人式のときに会った時は、青のスーツが似合っていた。


それからもう9年も経ってしまったけど。


成人式のときからはあまり変わっていないかもしれない。
少し、落ち着いたのかな。
20歳のときは金髪だった髪の毛が、今は茶色に変わってる。




「元気、やった？」




あ、そうだ。


もうさすがに結婚に対して焦っていた私が
大倉に誰か紹介してほしいと頼んだからだ。


大倉が名前も言わず、連絡先を教えてくれたのが
《安田くん》だった。それだけだ。





『うん、元気。安田くんは？』


「うん。元気やで。」





白いTシャツに黒のジャケット

デニムのサルエルっぽいパンツ

紺色の麦わら調のハット





『安田くんて、おシャレやね』


「そぉ？ありがとう。」




ニコッ笑うその笑顔は、中学生のときと変わらない。


それから、

《安田くん》の香りも。





「大倉から連絡先聞いてんけどさ、

お互い困ってるようやからって。」





安田くんも困ってることがあるんだ。

もしかして同じ理由？
だから大倉は《安田くん》の連絡先教えてくれた？





「なにか困ってるん？」


『大したことちゃうよ。彼氏ができないって、それだけ(笑)。

安田くんは、こんなことちゃうやろ？』





期待した。

同じ理由であれ、と。

ずっと好きだった《安田くん》とチャンスがあるなんて
この上ない幸せだ。

中2の私に知らせてやりたい。





「ぉん、彼女は、おる。」





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