検索窓
今日:3 hit、昨日:7 hit、合計:207,706 hit

彼の世界 5 ページ5

愛『…は?』

『っへ?』



私達は急な事に動揺して、変な声で答える。



慎「あの、自分、長谷川と言います。あの、
…玲於さんに、言われてて…。あのっ!
隣に、居た人…ですよね?」



男の子は真っ赤なまま私を見つめる。


なんだか正直に頷いてしまった。



『…わ、私、です。』



私の返事を確認すると、同じように頷いた。


そして次に愛ちゃんに向き直る。



慎「あの、隼さんにも、言われてます…。
この後、自分らと、来てもらえませんか?
…いや、頼みます、怒られます!」



愛『…私達の事って、……分かってますか?』


愛ちゃんは長谷川君、に逆に問いかける。


…すると彼はもげちゃうんじゃないかと思う

勢いで、首をブンブンと横に振った。


慎「あの、何も、教えていただいて、
ないんですけど、大事なゲストだから、って。
あの、隣の人と、後ろの人が、って事だけで…。
自分は、とにかく、何としても、お二人を
連れて来るように言われました…。」


…玲於が、やりそうな事だ。

だから私の席、あんな風に挟まれてたんだな…。



"逃げんなよ"って言ってる気がする…。



長谷川君は大きな体を縮めて、懸命に話す。

…何だか申し訳ない…。



愛『…はぁ…。はい。…じゃあ、行きます。』


『…え、愛ちゃん、いいの?』


愛『…頼まれた長谷川君が、可哀想でしょ。』



普段からマスクを常用している愛ちゃんが、

帽子もマスクも外す。



慎「あっ!!!」


愛『柏木愛です。案内よろしくお願いします。
…小森が迷惑掛けて、ごめんなさい。』


愛ちゃんが丁寧にお辞儀をした。


長谷川君はすごい驚いた表情で、周りの男の子

に向かって口をパクパクさせる。


愛ちゃんが私に肘打ちで合図する。



私も、意を決して眼鏡とキャップを外した。



『カオルです。あの…よろしくお願いします。』



長谷川君はもうパクパクするのも忘れたのか、

ポカーンと口を開けたまま固まってしまった。

彼の世界 6→←彼の世界 4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (229 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
885人がお気に入り
設定タグ:佐野玲於 , GENERATIONS , 恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

しをちゃ(プロフ) - まぁさんおはようございます!また読ませていただけるのかな?と思ってます! (2021年10月25日 4時) (レス) @page49 id: dc85e84606 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - まぁさんお元気ですか??? (2018年12月5日 13時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - まぁさんこんにちわ!やっぱり何度読ませて頂いても泣ける。゚(゚´Д`゚)゚。本当に好きです! (2018年4月6日 16時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - この終わり方私も好きです、ナケチャイマスケド(><)名古屋ドーム私も行きますよ!楽しみましょう!続き楽しみにしてます (2018年4月4日 13時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - まなさん» こんにちは!"カオル"は主人公の芸名です。私としては、主人公は本名非公開で芸能活動してた設定でお話を進めています。なのでずっとカオル呼びの登場人物もいます。お返事がズレていたら、ごめんなさい。 (2018年4月3日 1時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まぁ | 作成日時:2018年1月11日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。