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彼のために 2 ページ22

帰宅すると、

私より先に着いていた玲於に

拉致されるようにお風呂へ連れ込まれた。


あり得ない機動力で二人分の体を洗って、

私に口を挟む間を与えないまま湯船に浸かる。



「…何か、嫌な事言われてない?」


私をそっと抱えて心配そうに言った。



『…最初は、ちょっと。』


「…やっぱり。別れろって?
Aさ、簡単に返事してないよね?」


『…玲於のタイミング、ピッタリで驚いた。』


「…はぁ。お前さ…。…俺、絶対、嫌だから。
…色々俺がダメなのは分かってるけど。」



彼らしくない弱気な声に振り向いた。


『どうしたの?酔ってる…?』


「…うん、酔ってる。」


『…そっか。疲れてるもんね…。
…そう言えば、一緒にお風呂入るの久しぶり…、
…あ、全部久しぶりか、
顔合わせるのも、たくさん話が出来るのも。』


ちゃんと目を合わせてから、キスをした。


「…ねぇ、シよう。」

『え?』

「…早く。」


玲於はさっと向かい合わせになって

私を乗せると、身体をまじまじと眺めながら

胸のふくらみを大切そうに掌で包み込む。


「…EよりのD…」

『あっ!…変な事言わないで!
玲於だって、ほら、…腕また太くなったし、
胸も…厚くなってるよっ。』


「くくっ。反撃、へなちょこ…」


"寂しい思いさせて…"


素直に笑う玲於の全部を見ていると、

ふいに奈々さんの言葉が過った。


『…私、本当に一緒に居られて無いんだね。
…こんなに努力して素敵になってく人、
他の女性も放っとかない…』


「…何?急に。イヤミなの?誉めてるの?」


玲於は少し困ったように眉を下げた。


『…寂しい思いさせて、ごめ…』

「…ちょっとやめて。そんな事言わないでよ…
反対だろ、責めろよ、浮気すんなって。
俺の事、最低だってもっと怒ればいいじゃん。
こうやって、」


玲於は私の言葉を遮ると、

私の手を持って自分の胸を叩かせる。



ペチン…パシャ…、肌とお湯が当たる音。


触れた胸の先でギュッと爪を立てた。


「…んっ、」


零れた吐息を全て受け止めたくて飲み込む。

玲於の唇を甘やかして、食んだ。


名残惜しそうに唇を離したら…囁く。


『可愛い…』



…熱っぽい目に変わった玲於は

すぐに指を沈めて首筋に吸い付いた。


「もっとAの全部、見せて…」




猛烈な波に襲われて



…言葉は、なくなった。

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しをちゃ(プロフ) - まぁさんおはようございます!また読ませていただけるのかな?と思ってます! (2021年10月25日 4時) (レス) @page49 id: dc85e84606 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - まぁさんお元気ですか??? (2018年12月5日 13時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - まぁさんこんにちわ!やっぱり何度読ませて頂いても泣ける。゚(゚´Д`゚)゚。本当に好きです! (2018年4月6日 16時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - この終わり方私も好きです、ナケチャイマスケド(><)名古屋ドーム私も行きますよ!楽しみましょう!続き楽しみにしてます (2018年4月4日 13時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - まなさん» こんにちは!"カオル"は主人公の芸名です。私としては、主人公は本名非公開で芸能活動してた設定でお話を進めています。なのでずっとカオル呼びの登場人物もいます。お返事がズレていたら、ごめんなさい。 (2018年4月3日 1時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まぁ | 作成日時:2018年1月11日 22時

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