ふたりは 9 ページ9
玄関ドアを閉めながら
玲於は足を止めずに
上目遣いでこちらを見て、
少しだけ安心したように、ふっ、と
口元を緩めて歯を見せずに笑ってくれた。
最後はお互いに、少しだけぎこちない
笑顔になってしまったけど。
大丈夫だよ、玲於。
わたしたちは、大丈夫。
だって私はいつも
あなたを一番に、大切に思ってる。
静かに閉まった玄関ドアを見つめる。
そっと両手を合わせる。
…玲於が無事に戻りますように…
目を瞑って、そっと祈った。
『…さて、私も出なくちゃ！』
パン、パン！ と手拍子を２回打って
気持ちを切り替える。
ようやく夏服が馴染んだ時期だけど、
今日の撮影は厚目のコートを着るらしい。
『日中は案外気温が上がるのかぁ。
…汗出ると困るしな〜。
飲みたいけど、今はお白湯で我慢か。』
スマホでお天気アプリをチェックして、
冷蔵庫から取り出したばかりだった
紅茶の蓋を開けようとした手を止める。
クローゼットから適当に着ていく洋服を出す。
部屋着を脱ぐ時、鏡に映る自分が目に入った。
(…A…可愛い…)
甘い声が耳の奥に残っている。
…唇、首、肩、…胸、腰、、、
玲於の唇の辿った先を目線で追いかける。
自分の身体なのに、
羨ましく感じたりするのは何でだろう。
…そして思い出す。
そして、思い知る。
(…ほか、)の可愛い人にも
(しばらく)与えられる事になる
あのぬくもりや、あの熱を。
考えてはいけないのに。
想像してしまって、
説明のつかない気持ちになる。
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あーこっと(プロフ) - １つ１つの動作の表現にあー！！！って萌えてます...。さのれお凄まじいです...。ステキな作品ありがとうございます( ^ω^ ) (2018年4月27日 21時) (
レス) id: c5669fd06b (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - 渚さん» ありがとうございます。とっても励みになります！これからも、頑張りますね！ (2017年11月2日 6時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)
渚 - 大好きです！ (2017年11月1日 19時) (レス) id: 14484aaa53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まぁ | 作成日時：2017年9月29日 16時
