文スト学パロ！3【双黒】

迷子 ページ34

山「……逸れちゃった…」


山中は1人、青い顔でキョロキョロと辺りを見渡しながら歩く

その時、彼女の携帯が誰かからの電話を知らせた


山「あ…もしもしっ」


寺「「あ、出た…結衣今どこにいる？」」


山「え、えーと……あ、近くにお茶屋さんが」


寺「「茶屋？……だってさ」」


真琴ちゃんの声が少し遠ざかる


中「「おー、茶屋な」」


中原君の声…えっ


山「えっ…中原君…いや、神田さんに悪いよ！そっちの場所教えてくれれば合流するから…」


寺「「結衣にはムリ」」


山「酷い…！」


真琴ちゃんの声の奥で…生徒会長かな？


国「「あったか？それを左だ。それで…」」


如何しよう…私が逸れたから他の班にまで迷惑を…


山「真琴ちゃん！私頑張ってそっち行くから場所…「「あ、結衣動かないで。もうすぐお迎え着くから」」…えっ」


「＿＿＿＿お一人ですか？おじょーさん」


愉快そうな声が後ろから聞こえる。冗談めかして、まるでナンパでもする様に
でもその声は男にしては高くて、透き通る女性の声……聞きなれたその声に勢い良く振り返る


「お迎えにあがりましたよ、お嬢さん」


かっこよくて、綺麗なクラスメイトが…そこに立っていた


山「か、神田さん…⁉」


寺「「合流したね…流石、こんな時でもキレのあるイケメンぶり」」


立「「……お前そろそろ隠し切れねーぞ…」」


「迷子保護しましたー、そちらにお連れしまーす」


中「「おー、早く戻って来い」」


中原君の携帯で神田さんに指示を出してたんだ…神田さんが画面をタップし、中原君との通話を切る


「ごめんね、大丈夫だった？」


山「は、はい！私の方こそ迷惑かけてすみません」


「皆全然気にしてないよ。無事合流できたし、戻ろっか」


……自然に手を差し出してくれてるけど…繋いで良いのかな…


「…如何したの？」


山「いえ、あの…っ」


ニコッと笑って私の手を取る…繋ぐのが正解だったんだ…
恥ずかしくって顔に熱が集まる…如何しよう、今絶対顔赤い


「えーと、さっきは右に曲がったから……あ、これさっきも見たな」


隣に並ぶのが烏滸がましくて手を引かれる形で歩く


「疲れてない？大丈夫？」


山「だ、大丈夫ですっ」


「もうすぐ皆の所着くから…後回る予定だったのは……」


皆に迷惑かけてるのに…どうしよう、あの神田さんが私を探しに来てくれたのが嬉しい…


「あ、おーい！」


顔を上げれば知っている人達が見えて、やっぱり少しホッとした

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