君の消えた世界 (ページ26)

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ぼくの時間に刻まれた君/ドストエフスキーページ26

「ドストエフスキー」

「……また貴女ですか…如何しました」

午後5時、人の仕事中にノックもなく扉を開く

「報告書届けに来たよー」

「ありがとうございます…ですがノック位して下さい」

「堅苦しいなぁ」

「社会のルールですよ…社会人ならそれ位はちゃんとして下さい」

「へーい」

何でこんな人が裏社会でトップの付き人をしているかが不思議で仕方がない…そうしたのは他でもないぼくですが

"へぇ…なら私も連れてってよ"

この仕事を理解した上で買い物に付き合うかのように連れて行けと言ったA

昔から一緒にいるけれど…この人の事だけは本当に判らない

「…何これ？」

「次の仕事です…貴女なら熟すでしょう？」

「OK！じゃ、行ってくるー！」

そう言って笑顔で部屋を出て行った…

そして彼女は…

二度と帰っては来なかった

「……そうですか」

Aが死んだと云う報告を受け、ぼくは仕事を続けていた

ふと…時計を見る……午後3時

何時もなら休憩して珈琲を飲もうと言ってくる時間だ

"茶菓子買って来たから一緒に飲もー？"

5時には纏めた書類を…8時には食事を取れと……10時には仕事し過ぎだと
…12時には晩酌に付き合えと

でも君はもう居ない

…ノックなしに扉が開く事はない

明るく呼んでくれる声を聞く事はない

…ぼくは仕事する手を止めた

午前1時には…ぼくを寝室へ引っ張り、寝るまでぼくのベッドに腰掛けて監視していた

"おやすみ…ドストエフスキー"

嗚呼…駄目だ

ぼくの時計の中には常に彼女がいる…

嗚呼………やっぱり駄目だ

"君がいないと淋しい"

そう感じるなんて

午前6時…またぼくを起こしに来て下さいよ……

"起きろドストエフスキー！何で一度寝ると永遠と眠ろうとするの！
アンタに体内時計はないの！？
天候は晴天！気温22°C！湿度45%！さぁ仕事しろ！"

明るく笑う彼女の笑顔は…ぼくにとって

………溝の中に差す……ひと筋の光だった

ーーー

ドストエフスキー…！！！
キャラが掴めない！出番少ない！一人称私だと思ってたよ！

……補足するとドストエフスキーと主ちゃんは幼馴染という設定です( ´ ▽ ` )ﾉ

鏡夜様…これで宜しいでしょうか……？
綾辻さんはもうちょい待って下さい！