君の消えた世界 (ページ19)

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無能な異能/マーク・トウェインページ19

「…ん～、やっぱマークには勝てないなぁ」

「でも大分腕を上げたよ！僕に勝つのは無理だけどね」

銃を担いで機嫌を損ねるのは僕の幼馴染…Aも僕も組合の一員だ

彼女の異能はどんな遠くも目の前に見える異能だ
詰まりAの目は超高性能望遠鏡！

「もっとカッコ良いのが良かったなぁ」

これがAの口癖、自分の異能を無能だと言う

「教わり始めて結構経つけど、進歩した気はしないな」

「進歩も何も、獲物が眼の前に視える君は銃の扱い方を教えたら既に立派なsniperだったよ」

「お褒め頂きどーも…経験と異能がモノを言うのね」

世界は残酷だ…なんて吐き捨てるクールな幼馴染

「如何して其処まで僕との差を気にするんだい？」

「だって私達ずっと一緒にいたのよ？マークに負けっぱなしはなんか悔しい」

「可愛いこと言うねー、カラオケ行かない？」

「キモい」

「君って時折酷いよね‼」

その3日後、僕とAに組合の任務が回ってきた

「クールに決めるから見ててよ故郷のlady達！」

「誰が見るか」

「じゃあAが見ててよ」

「私もやるんだよ馬鹿」

「いーよ見てるだけで、僕とハック&トムがいれば充分！」

「ハァ…判った判った、お好きにどうぞ」

標的をスコープから覗くトウェイン…異能を使ってAは標的を見ていた
ふと視線を感じて異能を使ったまま視線のする方を見れば、人がいる

更にズームさせると…男が銃を此方に構えていた

「っ⁉」

(私に向かって真正面じゃない…狙いはマークだ‼)

男の笑みと引き金を引くのが視えた…Aは考えるより先に動いていた

パシュッ＿＿＿＿

標的を狩り終え、側にいるAの方を向く

「如何？視ててくれ……A⁉」

崩れ落ちるAを抱き留める…手に彼女の血がべっとりと付いた

「…何でッ」

「知らないよ……躰が動いたんだから」

苦痛に顔を歪める…

「あーあ…もっとカッコ良いのだったら……マーク守ってお終いだったのに…な」

充分カッコ良いよ…男の僕が情けなくなる位には

「まぁでも…マークを守れたから、この異能も…悪くなかったかも」

「死ぬな…僕を、超えるんだろう…？」

御免、とAは言った

「もっと……一緒に居たかったよ…マーク……」

彼女は永遠の眠りにつく

「無能は僕だよ…」

僕には…人を守る事が出来ない…僕は君を守れなかった

サヨナラ………The person I loved