歌い手系カフェ店員と声優さん 2nd (ページ41)

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初の舞台稽古から2ヶ月がたった

かなちゃんとあおちゃんとの仲も更に良くなって、稽古後、3人が翌日オフだったら飲みに行くのが恒例になった

拓也さんにも稽古のあとよくご飯に誘われて

食べに行ったりしてる

舞台本番まであと1ヶ月

「今日は前回の途中で終わってしまったシーンから続けて最後までやります」

「「『はい』」」

先生が早歩きでコソッと近寄ってくる

「Aちゃん、

前回、話したことなんだけど実践お願い」

『はい！』

「スタート」

私と健次朗さんのシーン

「穂乃果、離して？」

『ねぇ、いや、翔さん、』

腕に抱きつく

「僕は君を幸せにはできない。」

『一緒に居られるだけで幸せだからっ』

「ダメだよ、もう遅い帰りな？」

『いや！！お願い。』

なんで？なんで？？

もう愛してくれないの？

「ダメだ」

『一度だけでいいから愛してくださいっ！』

「何言ってるんだ、大人をからかうな」

『からかってなんか無いｯ

私本気です、あなたに見合う女になりたくて、頑張りました。服だって、メイクだって

あなたの隣に立てる女になりたかったの』

一途すぎる女の子の恋

悲しい恋

「ふざけるのも大概にしろｯ

君は自分勝手だ。僕の事を少しも考えてないじゃないか！そういうところだよ、僕が嫌なのは」

『好きだって言ってくれた！』

「一時の気の迷いだ」

『キスだってハグだって、体も重ねてくれた』

「体目当てだとしたら？」

『私は……

あなただったらそれでもいい』

「バカバカしい

帰れ、僕はもう君の顔も見たくない」

そう言い私に背を向ける彼
あぁ、悲しい

『っ………ｯ………な……なんでっ？………わたしっ……

あなたに……あいされたかったｯ…………』

みんなが息を呑む音が聞こえたような気がした

上手に泣けてる

「え、あ、」

沈黙が広がる

『え？私間違えました？』

「え、あ、すみません！！

ごめん、動揺してセリフ忘れた」

『あ、え？いえ？全然大丈夫ですよ！！』

「すご

声出なかった！引き込まれた」

拓也さんからの嬉しい言葉

『ありがとうございます！』

「Aちゃんすごい！！」

『あおちゃんありがと！』

パチパチと拍手が鳴る

褒められるのは普通に嬉しい

「すごいわ

無理言ってごめんなさい。子役だったって話を聞いたものだから」

『上手に泣けてよかったです！

久しぶりだったので最初からポロポロは出なかったですけどね』

「十分よ」

このあとも稽古が続いた