狂い[佐久間大介] ページ2
ウザイ
コイツの目、なんなんだよ
いくら殴っても罵倒しても、全く効かない
佐「これで、もう他の人の事殴らない？」
『は？』
佐「もう、他の人の事、殴らない？」
街角、路地裏
人通りの少ない薄暗い所
普通の人間なら、絶対入らないだろう
そんな場所で唖然と立っている私と、優しく笑う君がいるのは、随分奇妙な話だ
見下ろしているのは私のはずなのに、彼の方が優位に立っているかのように、不敵に笑う
そして、彼の目が曇りひとつ無いことに、私は憤りを感じた
グッと唇を噛む
佐「血が出ちゃうよ」
そう言って立ち上がったと思うと、私の顔にそっと手を添える
それは、まるで愛おしい物を見るかのような、そんな目で
佐「振り払おうとしないで」
無言で彼の手を振り払おうとすると、今度は不機嫌になったかのように眉をひそめ、私の右手を握った
その力強さは、彼が男だとわかるのに十分だ
『なんであんたは泣き縋りもしないの？
なんであんな知らない奴らの代わりに殴られて、そんなに澄んだ目で私の事を見つめられるの？
なんであんたは佐「黙って」
そう言って、シーっと唇に人差し指を持っていく姿が絵になる男は、コイツ以外にいるのだろうか
佐「それで君の欲望が満たされるなら、俺はいいんだよ」
『私は、人の絶望する顔が好きなの』
佐「そう言う割には、俺の顔だけは殴らないよね」
『そこ殴ったら、顔が見れないでしょ？』
佐「本当は違うんじゃないの？」
『萎えた、帰る』
道端に置いていた通学カバンを片手で拾い、彼には彼の通学カバンを投げて渡す
少し勢いが強かったのか、 「お」とだけ言って見事キャッチしたのを見てから、早歩きでそこから去った
別に、顔を見たいのは嘘じゃない
そう、嘘じゃない
あんたの、恍惚とした顔が、別に嫌いじゃないだけ
佐「待ってよ」
少女漫画のようにパシッと私の手を掴んだかと思うと、それだけ言って隣に並ぼうとする
本当に、おかしい人だ
彼は、何かが欠けている
佐「あ！笑った！」
『私だって人間なんだから笑うよ』
佐「そうだよね」
嬉しそうに笑う彼に、コイツも人間なんだな、なんて
普段狂人のように笑っている彼が、こんなに人間らしい笑い方をしているのだから
佐「君が殴るのは、俺だけにして欲しいな」
『本当に、変わってる』
佐「そうかなぁ」
このままでもいいかな、なんて
『もう殴らない』
佐「え」
『違う愛し方を、教えてよ』
佐「急に人間じゃん」
『、かもね』
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ルな(プロフ) - 一番最初のシリーズから読ませていただいてます。もう感激です✨なんでこんな神小説見つけるのおそくなっちゃったんだろ .... 佐久間さんのペースでいいので、どうか戻ってきていただきたいなと思います😢ずっと待ってます ‼ そして応援してます !! (2022年8月18日 10時) (
レス) @page27 id: 0c9a247f04 (このIDを非表示/違反報告)
あき - 恋日誌から、読ませて頂いてます！色んなジャンルがあり、毎日読んでも面白いです‼更新待ってます！ (2022年4月7日 17時) (レス) id: 45421e6c59 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間さん(プロフ) - コーヒー豆さん» そう言って貰えてすっごく嬉しいです！ありがとうございます！神だなんて言って貰えて幸幸です♡ありがとうございます！ (2022年3月5日 20時) (レス) id: 23029b9da8 (このIDを非表示/違反報告)
コーヒー豆 - ほんとに佐久間さんの作ったお話好きすぎて何回も繰り返して見てます!! 佐久間さんは``神``でやんす！ (2022年2月21日 19時) (レス) id: a7da1e1812 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間さん(プロフ) - しおさん» え！？そんな事言って貰っちゃってたんですか！！嬉しすぎてヤバいです泣そう言って頂ける方がいるから頑張れます！ありがとうございます🥰 (2022年1月15日 10時) (レス) id: 23029b9da8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐久間さん | 作成日時：2021年10月26日 20時
