クールな女子は選手です。part3 (ページ4)

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二人の関係ページ4

太陽が傾き、コンドルスタジアムには夕日が差し掛かっていた。

グラウンドにはまだ帰ってなかったAとフィディオ。

他の選手たちは既に宿舎へ帰ってしまった。

フィディオ「……ミスターK、事故死だって…」

『………』

フィディオ「…ねぇ、A……………………………泣かないで」

Aはうつ向いて表情がみえないが、グラウンドの芝生がAの涙で少しずつ濡れていた。

『ミスターKは………まだ、ｯ…生きるべきだっ、たのに……ｯ』

フィディオ「うん…」

『なんで………なんでよぉ…ｯ』

悲しい、と思っているのはフィディオもだった。
だが、ガルシルドから救ってくれた恩人をAは亡くし、どうすることも出来ず、泣くしかなかったのだった。

Aはぎゅっとフィディオのジャージを握り抱きつく。

フィディオ「……A…」

『………ミスターKは、私が組織に誘拐されていたときも、助けてくれた…ｯ』

フィディオ「えっ…？」

『直接じゃ、なかったけど…私が今、此処でサッカー出来たのは、ミスターKのおかげなの…』

フィディオ「………」

フィディオは黙って涙声のAの話を聞いていた。

ミスターK、もとい影山零次はガルシルド・ベイハンに連れていかれ、イタリアに設置された組織の本部に訪れたことがあった。

影山が見たのはA。
汗だく、傷だらけになっても耐えようとしたAの姿を見て、影山はどうしてか助けようと思ってた。

直接ではガルシルドの目についてしまうので、間接的だが何かと助けてもらっていた。

死にかける、と思ってた実験も影山のおかげでやらずに済んだ。

Aにとって影山は命の恩人なのだった。

フィディオ「そっか…ミスターKのおかげで…」

こくんとAは頷く。

フィディオ「…ありがとう」

『えっ…？』

フィディオ「知り合って間もない俺にミスターKとの関わりを教えてくれて」

『いいの…それにフィディオなら大丈夫な気がした、それだけよ。……そろそろ帰るわ』

Aはぱっとフィディオから離れ、グラウンドを立ち去ろうとするがフィディオに腕を掴まれ動けなかった。

『フィディオ…？』

フィディオ「えっ、あ…ごめんっ！」

ぱっと離す。
そっか、とAはまた歩きだす。

フィディオは思ってしまった。

まだ、一緒にいたいと。

触れたい、と。

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