・ ページ5
「ん……さすがに戻らないと怒られちゃうかな…」
「事情が事情だったんだ。説明すれば分かってもらえるだろう」
二人で手を繋げば、教室まで一緒に歩いていく。
手から伝わる彼の温かさが一瞬で私の心に染み渡る。
ずっと繋いでいたいな…
そんな思いに反して教室にはあっという間に着いてしまう。
当たり前だけど、アメリカエリアから日本エリアまでの距離よりも短い。
中に入ると気付いた秋ちゃんがこちらに駆け寄って来た。
「Aちゃん、やっと戻って来た！…って、どうしたのその格好！？」
マークが貸してくれたコートの隙間から見える、切り裂かれたメイド服を見て彼女はギョッとする。
私はさっきの出来事をちゃんと説明していった。
「そうだったの…でも、無事で良かったわ。少し早いけど、Aちゃんはもう上がりましょうか」
「え、でも…」
「大変な思いをした後だもの。それに折角好きな人が来てくれたんだから、少しでも長く一緒に居たいでしょ？」
ウインクをして笑う秋ちゃんに顔が赤くなる。
この子は本当に気遣いで出来てるんじゃないかって思えてくるよ…
お言葉に甘えて私は予定時間よりも早く上がらせてもらう事に。
「マーク、私着替えてくるからちょっと待っててくれる？」
「ああ、分かった」
制服を持って急いで更衣室へと向かう。
折角秋ちゃんが気を利かせてくれたんだ…一分一秒たりとも無駄にする訳にはいかない！
鬼のような速さで着替えを済ませてマークの元へと戻って来る。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 29人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
結川(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます！ (2021年9月19日 1時) (
レス) id: d45f7778dc (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 続編おめでとうございます！高評価しました！ (2021年9月18日 16時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：結川 | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/17663132
作成日時：2021年9月18日 16時
