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「マーク、youと出会ってから見違えるようになったんだよ」
「え？そう、なの？」
突然振られたマークの話題。
それは私の知らない彼の話だ。
「ああ。Aと付き合ってからはもうすごいのなんのって！練習は気合いが入りまくるし、技にはさらに磨きがかかったりとかね。その分、惚気話も毎日聞かされたけど！まあ、嫌じゃなかったからいいんだけどさ」
普段見れないマークの一面がたくさん聞けて、嬉しいような恥ずかしいような。
ずっと傍で見てきたディラン君だからこそ、マークの細かな変化にも気付けるのは流石としか言いようがない。
…ちょっと、羨ましいけれど。
「明日には離れ離れになるじゃないか？これからは気軽に会えなくなるから、マーク大丈夫かなって少し心配なんだよね」
彼の言葉でハッと思い出した。
明日にはもう…離れ離れ……
お互いの祖国に帰らなければならないから。
それを承知でマークからの告白を受けたのに…ダメだな、私ったら。
「アメリカと日本かぁ。やっぱり大分遠いね…」
某アニメのように、扉一つで行きたいところにすぐ行けたらいいのに。
そしたらいつでも会える…なんて、小学生のような妄想をせずにはいられない。
それくらい…寂しくなるだろうから……
「…ま、you達なら心配いらないか！」
「え？」
「特にマークは…離れ離れになったくらいじゃ、諦めないだろうからね。Aはそのままマークに甘えてればいいんだ！」
私の肩にポンと手を置いて頷くディラン君。
何だか自己解決したみたいだけど…
そんな彼に私も笑って頷き返したんだ。
「待たせたな」
扉がガチャリと開けば、Tシャツ姿のマークがタオルで髪を拭きながら入ってきた。
初めて見る姿に思わず胸が高鳴る。
まだ拭ききれていない水滴が首筋を伝い、それが何とも色っぽい。
「お、帰って来たね。じゃあ、meは退散するとしよう！」
「協力してくれてありがとな、ディラン」
「本当にありがとう」
ディラン君は笑いながらヒラヒラと手を振って部屋を出ていった。
再び部屋には二人だけになる。
妙な緊張感が漂い、ほんの少しだけ気まずい…
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作者名：結川 | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/17663132
作成日時：2021年8月23日 16時
