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「ごめんね、遅くなっちゃって…！」
人がまばらになった観客席でマークを見つけて小走りで駆け寄る。
「いや、大丈夫だ」
「…あれ…ディラン君は？」
さっき観客席から声を掛けてくれた時は、マークの隣には確かにディラン君も居たはず。
その彼が今はこの場に姿が見当たらない。
「ディランなら先に帰ったよ。あいつなりに気を遣ってくれたんだろう」
「なっなんか申し訳ない事しちゃったかな…」
「そんな事ないさ。あいつ、こういう事には結構積極的に協力してくれるんだ」
マークの言葉に納得した。
ディラン君、初めて会った時もノリノリだったもんね…
だから彼が協力的だと聞くと腑に落ちるわけだ。
「改めてお疲れ様。何があったかは分からないが…ミスターKが逮捕されたり、大変だったな」
「うん…ビックリしたけど、これで良かったんだと思う」
今までに何度も影山とぶつかってきた。
そんな彼と一番関わりが深い鬼道君は、最終的に彼と和解出来たみたいで本当に良かった。
最後にゴーグルを外して素顔を見せた時…彼の赤い瞳には、もう影山に対する憎しみは宿っていなかったから。
「明日は俺達ユニコーンとジ・エンパイアの試合だ。決勝トーナメントに進めるかは…これに懸かっている。…A達イナズマジャパンの命運も」
「そうだね…でも、やれる事はやった。どんな結果になっても、明日の試合…見届けるよ」
マークの目を見ながら笑ってそう言ってみせた。
そんな私に彼も笑ってくれる。
ライバル同士なのは変わらずだけど…もうそれ以上の繋がりを常に感じられているから、大丈夫。
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作者名：結川 | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/17663132
作成日時：2021年8月23日 16時
