君と繋いだ手の先へ【イナイレ】 (ページ49)

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海辺に着く頃にはもう日が上りかけていて、海面が太陽の光でキラキラと輝いている。
あまりの綺麗さに思わず見惚れてしまうけれど、ここに来たのは景色を見に来た訳ではない。

「良い景色だな。こんなところでご褒美をもらえるなんて、早起きした甲斐があったよ」
「わ、分かったから…！…目、閉じてくれる…？」

海をバックに私達は向かい合う。
マークは私の言う通りに目を閉じてくれた。
あとは…私から彼の望み通りに動くだけ。

そっと彼の胸に手を置いて背伸びをする。
そしてゆっくりと顔を近づけていき、唇が重なる直前に私も目を閉じた。
ほんの数秒の後、唇を離せば瞼を開いた彼のエメラルドグリーンと目が合った。

「これでいいんだよね…？」
「そうだな、取り敢えずは。まあ、欲を言えばもっと欲しいんだが…」
「も、もっと！？」

まさかの追加注文に鼓動がより速くなる。
私が自分から出来るのはこれで限界なんだけれど…それ以上となると、マークからでないと到底無理だ。
というか、早起きのご褒美ってそんなに濃密なものなの…！？

「ふっ、冗談だ。何を想像してたんだ？」
「な…バっバカ！」

からかわれたのが分かって、彼の胸に添えていた手で軽く胸板を殴る。
私の力なんて痛くも何ともない彼はただ笑って受け入れていたけれど。