・ ページ23
「そういえば、これからどこか行こうとしてたのか？」
「あ、そうだった！テープの買い出しに行く途中だったの」
「そっか。良かったら一緒について行こうか？荷物なら俺が持つよ」
予想外の申し出にちょっと驚いた。
「え？私は別にいいけど…フィディオは何か用があってこのエリアに来たんじゃないの？」
「俺もちょうど守に練習相手になってもらおうとして来る途中だったんだ。だから君が買い出しから戻る時に一緒に行けばいいかなと思ってさ」
確かに彼の言う事も納得出来る。
でも、練習をしにきたなら少しでも早く円堂君の元に行った方がいいんじゃないのかな…？
…いや、ここは彼の厚意に甘えておこう。
本人がこう言ってるんだし、大丈夫だよね。
「じゃあ、お願いしようかな」
「そうこなくっちゃ。さ、行こうか！」
こうして私はフィディオに買い出しを手伝ってもらう事になったのだった。
「本当に荷物一人で持ってもらっちゃって大丈夫？」
「このくらい平気平気！訓練にもなるし、ちょうど良いよ」
テープだけを買うつもりが、つい他にも必要なものを買ってしまって予定よりだいぶ荷物が増えてしまった。
それをフィディオが一人で持ってくれて、申し訳ない気持ちと感謝の気持ちでちょっと複雑な気分…
「寧ろ俺がついて行って良かったよ。この量を君一人で持つ事になってただろうからね」
「それは…そうかも。本当にありがとうね、フィディオ」
改めて彼に感謝の言葉を述べると、彼は返事の代わりにニコッと笑ってくれた。
何て良い人なんだ…
きっと女の子にモテモテなんだろうな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 64人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：結川 | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/17663132
作成日時：2021年8月20日 7時
