天衣無縫 ページ30
「どうして自分たちの出身を知っているのですか。」
ムクが疑わしさに目を細め、鋭く言い放つ。
それに怯える様子など微塵も見られないココナツが、トコナツに目線を合わせ息を継ぐ。
「ええ…どうしてわたしが言わないといけないんだ」
「いいじゃんいいじゃん、わたしが台本考えたんだし」
台本?そんなものがあったのか
五人は目をつける場所が違うと自覚しながらも、不覚ながらそう思ってしまった。
「実は、すんごく勘が良い奴がいてさ。あ」
トコナツが後ろに目線を流す。
それに釣られて全員がそちらの方向へ顔を上げる。すると、深い海の色の髪をした少女が立っていた。
…いや、少女ではないのかもしれない。
そう思えるくらい、やけに大人びていたのだ、彼女は。
「ぁ……」
その少女は驚いて目を丸くしたが、反応は薄いようだ。
だが、それは勘違いのようだった。
新しくやってきた五人を見るなり、ぱぁっと花が咲くような笑顔を浮かべるのだった。
「彼女はNO.210、ニットちゃんだよ!ニットちゃんは声帯が弱くて…喋れないことはないんだけど、声が小さいのは許してあげてね。」
「性格は見たとおり無邪気で明るい子だから」
ココナツとトコナツはご丁寧にも、何から何までニットと呼ばれる少女について説明をしてくれた
「ニットちゃんは可愛いね!でも、なんかお姉さんって感じがして好き!」
「髪の色……同じ」
「ん……!!」
ニットがとても幸せそうな顔をするので、どうやら周りにもそのオーラが伝わるようだ。
先程まで難しい顔をしていたムクも表情が柔らかくなる(元々無表情だからそこまで変わらないが)。
「さっき言ってた、勘が良い子はニットのこと。そうだなぁ…30分前くらいには、変な感じがする、誰かが来るって言ってた。すごいでしょ?」
「そ、それは本当にすごい。ミコトの勘も相当だけど、それを上回るくらいだよ」
ヒトハが少し引き気味に反応した。
ニットは案内するのが楽しみでしょうがないのか、ぴょんぴょんと跳ねている。
「じゃあ、行こうか。もしかしたらレナたちも来てるかもしれないしね」
ヤイチがそう言えば、みんなはそれに従うのだ
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真裏(プロフ) - ひいらぎ@オリフラ外し隊さん» いえいえ、そんな…!あなたのコメントは消さずに残しておきます。 (2018年9月19日 16時) (レス) id: a0b96c91a2 (このIDを非表示/違反報告)
ひいらぎ@オリフラ外し隊(プロフ) - 真裏さん» そんなに暗い感じにさせてしまってすみません!ただ、気を付けて欲しかっただけなんです。ご丁寧に返信していただき、ありがとうございました。なお、私のコメントは消していただいても構いません! (2018年9月5日 19時) (レス) id: 303fe49996 (このIDを非表示/違反報告)
真裏(プロフ) - ひいらぎ@オリフラ外し隊さん» ご指摘ありがとうございます。配慮が至らなかった点については申し訳ないです。今後はこういったことが起こらないように注意していきます。 (2018年9月5日 19時) (レス) id: a0b96c91a2 (このIDを非表示/違反報告)
ひいらぎ@オリフラ外し隊(プロフ) - 失礼します。この作品の説明欄に「ヒロアカ」という単語があります。オリフラが立っているので、「ヒ〇アカ」などとぼかすか、その部分を消したりした方が良いかと…。 (2018年9月5日 17時) (レス) id: 303fe49996 (このIDを非表示/違反報告)
納豆(プロフ) - ありがとう!ボケボケの記憶を頼りに青で描きましたぜ! (2018年1月23日 19時) (レス) id: c8bcc7c146 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:真裏 | 作成日時:2017年10月8日 1時