テスト勉強と願い事@フジ ページ15
「…あーもう！分かんない！！」
「ほらほら、もうちょい頑張って」
「…うぅ〜…！」
「犬かお前は」
どうしてこうなったんだっけ…
テスト1週間前の私は追い詰められていた。
勉強はそんなに得意ではなく、ましては好きなわけでもない。
そんな私を心配してお母さん、もといフジが勉強を見てあげる、と完全お手上げ状態の私に救いの手を差し伸ばしてくれた。
が、勉強嫌いな私がそうスラスラ行くわけでもなく、完全に詰んでいる状態に陥ってしまった。
犬みたいに唸ってもプリントが進む訳が無い。
「…どうしよう…」
こんな私の勉強を呆れながらも付き合ってくれているフジに申し訳なかったのだ。
「…あ、そうだ！」
と、フジがいきなり思いついたような声をあげて言った。
「このプリント出来たら、お願い一個聞いてあげる！」
「…へ！？いやいや、勉強に付き合ってくれているだけで申し訳ないのに…！」
「いいのいいの！勉強見てあげるって言ったのは俺だし！」
「…お願いかぁ…」
何だか少しやる気が出た気がした。
「うし！頑張ろう！」
フジが見守ってくれている中、私はプリントとまた向き合った。
────…
「…すごいよA！良く頑張ったね！」
悪戦苦闘の末、やっとプリントが終わり、フジに丸つけをしてもらっていた。
「あぁぁ…やっとだぁ…！」
やっと終わった爽快感と脱力感に負け、私は机に突っ伏した。
「じゃあ、約束通り一個だけお願い聞いてあげる！
…まぁ、そんなにお金無いからジュース位で勘弁して下さい…」
冷や汗をかきながらそう付け足したフジ。
お願いか…考えてなかった…
うーん…何かなぁ…
…あ
「じゃあさ、絵描いて！」
「…絵を？」
「うん！フジ絵上手いじゃん！」
フジが画力が高いことを思い出し、絵を描いて、と頼んでみたけどフジはビックリした顔をしていた。
「良いけど…絵でいいの？」
「うん！思い出に欲しい！」
そういうとフジは少し微笑んだ。
「…ははっ！Aらしいかも」
「へへっ、そう？」
「うん。…あ、何の絵を描けばいいの？」
「うーん…
あっ！」
少し大きな声で言うとフジは首を傾げた。
「じゃあ────…」
「…！ふふっ、本当にAらしいわ！」
と、フジは向日葵みたいな笑顔で笑った。
キヨ、ヒラ、こーすけ、フジ、私が笑いあってる絵が良いな！
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