＃5 空を飛ぶ鳥 ページ7
あれから３か月後。
『みんな』
エレンたちは河原にいた。
「よう」
エレンは沈んだ顔をした。
エレンの横で泣いてるアルミンをミカサが慰めてる。
またいじめられたんだ。
私は歯をギリッと噛み締めた。
アルミンが落ち着いて、口を開いた。
「人類はいずれ外の世界に行くべきだって言ったら…殴られた。異端だって…」
アルミンはひざに顔をうずめた。
エレンが石を川に投げる。
「くそ…外の世界に出たいってだけで何で白い目で見られるんだ」
「そりゃ…壁の中にいるだけで、１００年ずっと平和だったからだ。下手に外に出ようとして、奴らを壁の中に招くようなことが起きないように」
アルミンが顔をあげた。
「王政府の命令で、外の世界に興味を持つこと自体をタブーにしたんだ」
「つまり王様びびりすぎっつーだけの話だ！」
エレンが怒った。
「そうなんだよ。でも本当にそれだけの理由なんだろうか」
「自分の命を懸けるんだ。オレらの勝手だろ」
「絶対ダメ」
ミカサがエレンに視線を向けた。
エレンがミカサを見る。
「ダメ」
きっぱりとミカサは言い切った。
エレンが思い出したように言う。
「そういやお前、よくも親にばらしたな！」
まさか調査兵団のこと？
「協力した覚えはない」
「で…どうだった？」
アルミンがおそるおそるきく。
「そりゃ…」
エレンの顔が暗くなった。
「喜ばれはしない」
「だろうね…」
アルミンも暗い顔になる。
「確かに…この壁の中は未来永劫安全だと信じきってる人、どうかと思うよ」
私は空を見た。
「１００年壁が壊されなかったとはいえ、
今日壊されない保証なんか、どこにもないのに…」
どおおおぉぉぉん！！！！！！！！
何！？
地面が揺れた！
「何だ！？」
みんな戸惑う。
「地震ってやつか…？」
通りの方を見ると、人々が壁の方を見ている。
口々に何か言ってる。
ここじゃ、建物で見えない。
「行ってみよう」
エレンが少しこわばった顔で言った。
アルミンが走る。
そして壁を見た瞬間、目を見開いて固まった。
「どうした！」
エレンが悲鳴のような声で言った。
「一体何が見えるってんだよ！」
その時、私は見た。
壁を掴んでいる巨大な手を。
「そ、そんな…あの、壁は…５０メートルだぞ！」
アルミンが叫ぶ。
「奴だ」
エレンが目を見開いたまま言った。
「巨人だ！」
ラッキーカラー
あずきいろ
進撃☆ラッキーパーソン
リヴァイ兵長
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作者名：ヨット | 作成日時：2016年9月19日 8時
