六等星～進撃の巨人～ (ページ6)

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＃4 新しい家族ページ6

エレンのお母さんはやさしかった。

三日も家に泊めてくれた上に、家まで探してくれた。

でも、崖の上に建っている家なんてなかった。

「大丈夫です、エレンのお母さん。私、親がいません」

「おばさんって呼んでいいんだよ。そうかい…辛かっただろうね…」

そう言って私をぎゅっと抱きしめてくれた。

本当のお母さんみたい。

「私、誰か引き取ってくれる人を探します」

「大丈夫。おばさんが探してあげるからね」

間もなく、私の引き取り先が見つかった。

名前はインガルスさん。

とっても優しいと評判の、二人の夫婦と５歳くらいの女の子の３人家族。

家は、エレンの家からアルミンの家に行く道の途中にあって、いつでもみんなと会える。

私はすぐ、そこに住むことになった。

「ようこそA、私たちインガルス一家へ！」

インガルスのおじさんたちは温かく迎えてくれた。

「私たちのことは本物の家族だと思ってほしい。気軽にお父さんって呼んでいいからね」

にっこり笑ってそう言ってくれたお父さんは、背が高くて痩せている。

お母さんは茶色の髪をおだんごにしている、静かな人。

妹、レイシーはお父さんと同じ黒髪で、青い目をした子。

「もうすぐご飯にするから、それまで自分の部屋を見ていらっしゃい」

お母さんが微笑んだ。

「あたし案内するよ、お姉ちゃん！」

レイシーがはしゃぐ。

ここに来る前の生活とは全然違う。

あの崖の上の家では、おばさんは私を働かせるばっかりだった。

私には海しかなかった。

今の私には家族がいる。

友達もいる。

調査兵団に入るっていう夢もある。

今までとは違う。

うん、全然違う。