六等星～進撃の巨人～ (ページ15)

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＃13 5位　ページ15

「5位になったんだろ？憲兵団にでも行けよ！」

エレンの言葉が、頭の中に何回も響いている。

(5番、A・インガルス！)

(無論、新兵から憲兵団に入団できるのは、成績上位10名だけだ)

私はなぜだか5位になって、憲兵団に入る資格をもらえた。

5位はずっとエレンだと思ってた。

なぜ私なのか、ずっと引っかかってたけど…

…今、わかった気がする……

『エレンが、私に、5位の座を譲ったってこと…？』

「は…？」

エレンが顔を歪めた。

『だってなんでそんなに壁内に残ることを勧めてくるの…！？私が憲兵団に入って、壁内で安全に暮らせるように、私を5位にさせたのは、エレン、なんでしょ…？』

…それしか、考えられないよ…

「…別に、いいだろうが。一生海が見れねぇってわけじゃねぇんだからよ！オレには、なんでAがそんなに調査兵団にこだわるのかわかんねぇよ！」

「エレン！」

アルミンが止めようとした。

けど、エレンは喋り続けた。

「オレも…ミカサも、アルミンも！…大切な家族を失った…けど、お前は違うだろ！！なんでそんなに巨人を倒したがるんだよ！！」

そう言われた途端に、喉の奥が締め付けられるような感覚がした。

涙が溢れそうになった。

これ以上、黙っていられなかった。

『…私は、私だって、エレンと、ミカサと、アルミンと、同じ！！私も、大切な人を、失ったんだから！！』

…だめ、泣いたら、だめだ。

そう思っても、気持ちを言葉にした瞬間、涙は後から後から頬を流れていく。

暗いから、バレてないと思う…

でも、私は早くこの場所から逃げ出したくて、エレン達に背を向け、夜の街に向かって走り出した。