＃10 ジャンとエレン ページ12
「ミカサおめでとー！！」
エレンたちのテーブルから声やグラスのぶつかる音が聞こえる。
解散式が終わって、街の食堂では食事会が行われていた。
私は隅っこのテーブルで、腕に顔をうずめて、ひたすら考えていた。
どうしてエレンじゃなくて、私が5位なんだろうと。
「A」
その時、誰かに肩を叩かれて、私は顔をあげた。
振り返るとミカサが立っていた。
『ミカサ…あ、首席おめでとう…』
「ありがとう…向こうの席に、エレンとアルミンがいる。一緒に食べよう」
ミカサはそう言ってくれた。
でもその時、
「憲兵団に決まってんだろ」
急に大きな声が聞こえた。
向こうのテーブルでジャンがマルコと話してる。
「何のために10番内を目指したと思ってんだ」
ジャンは6位、
マルコも、上位10に入ってた、と思う。
「ああ、僕もそうするよ」
ジャンの言葉にマルコが答える。
「王の近くで仕事できるなんて、光栄だ」
マルコの顔は見えなかったけど、多分夢見てるような顔してるんだろうな。
マルコの夢は王に仕えることだから…
「おいマルコ！」
ジャンがマルコの背中を思い切り叩いて、マルコがコップに顔を突っ込んだ。
「お利口ぶらないで言えよ、本音を」
ジャンがにっと笑う。
「憲兵団に入るのは、内地での安全で快適な暮らしが待ってっからだろうが！」
ひどい…
マルコはそんなことの為に憲兵目指してるんじゃないのに…！
私がそう思ったとき、
「内地が快適？」
エレンが口を開いた。
「あ？」
ジャンが振り返ってエレンを見る。
「ここだって５年前までは内地だったんだぞ」
エレンはそう言って、グラスの水を飲み干した。
「何が言いたい？」
ジャンが眉をしかめる。
「ジャン」
エレンがグラスをテーブルに置いた。
「内地に行かなくても、お前の脳内は快適だと思うぞ？」
ジャンの眉がピクッと動いた。
そして、エレンのテーブルまで来た。
「エレン…」
アルミンが不安そうな目をエレンに向ける。
エレンは黙ってジャンを睨んでいた。
ジャンが来て、口を開いた。
「お前だって知ってるよな。あれから何人、喰われたか」
ジャンがエレンを見た。
「４年前、奪われた土地を奪還すべく、人類は人口の２割を導入して総攻撃を仕掛けたんだ」
アルミンが一瞬固まった。
「だがそのほとんどがそっくりそのまま巨人の胃袋に直行した」
エレンはジャンを見つめたままだ。
「もう答えは出たんだ
人類は、巨人に勝てない」
ラッキーカラー
あずきいろ
進撃☆ラッキーパーソン
リヴァイ兵長
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作者名：ヨット | 作成日時：2016年9月19日 8時
