第６話 ページ6
視線を横にずらす。
…どうやらジャンと同着だ。
くそっ！
オレは崖に足をつけた。
だが…
「って、おい！ジャン！」
ジャンは木にワイヤーを固定しながらそのまま飛んでいく。
まだ続ける気なのか。
オレも負けてらんねぇよ！
急いでワイヤーを飛ばしてそのまま蒼空を飛んだ。
ジャンは目の前の森に向かっていった。
オレも続いた。
樹があるから立体起動は使えるよな。
ジャンがちらっとこっちを振り返って、軽く笑った。
っ！
っんだよ！
ジャン！
今抜かしてやるからな！
がくっ！
突然体が傾いてバランスが崩れた。
っ？
急いで態勢を立て直す。
なるほどな、
ガス切れだ。
ジャンはまだ余裕みたいだ。
くそっ、ガス管の点検が甘かった…！
もつか…
…っ！
突然いつかの記憶が脳裏によみがえってきた。
『そういうときはガスを一瞬強めにふかせばいい、そうやって慣性を利用した方が消費は少なくてすむ』
ジャンが言ってた。
慣性…
そうか、そうすれば、宙に浮いてる時間が長くなる。
ガスの消費も抑えられる。
って、ジャンの考えに乗っかってたら、ジャンに屈服してるのと同じじゃねぇか！
目の前に迫ってきた枝を避けながら考える。
ぁぁ、アルミンがいたら…
！
ひとつ思いついた。
樹の横すれすれを飛んで、飛びながら幹を蹴る。
ジャンのやつの応用だが、真似じゃねぇからいいよな。
オレは勢いをつけてジャンに迫った。
がす がすっ
右のガス管がいやな音をたてる。
落ちねぇからなっ！
オレは最初の樹を蹴った。
前に飛び出した。
格闘で足の筋肉は十分鍛えられてる。
２本目…３本目…
体にかかる負担が大きい。
４本目…
ジャンに追い付いてきた。
５本目…６…
がすっ かす かすっ
右のガス管が…
左だけでやるしかねぇっ。
７…８…
ジャンと並んだ！
ジャンが眉をしかめてこっちを見る。
少しガスの残りが怪しくなってきたようだな、ジャン。
…オレも人のこと言えねぇか。
９…１０…１１っ…
がすっ
左も…
いや！やってやる！
今がすげぇ悪い状況なのは分かってる。
だが、オレは乗り越えなきゃいけないんだ。
こんなところでつまずくわけにはいかないから。
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えとびん(プロフ) - 続きをお願いします！ (2016年7月22日 22時) (
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作者名：ヨット | 作成日時：2016年7月10日 7時
