訓練兵時代の思い出~進撃の巨人~ (ページ4)

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第４話ページ4

審判にはマルコが選ばれた。

｢二人とも、本当にやるの？｣

｢ったりめーだ！｣

｢じゃあいくよ｣

｢おう！｣

｢よーい…｣

｢どん！｣

二人同時にワイヤーを発射した。

これは命綱じゃない。

立体起動装置だ。

ガスも使えるし、ワイヤーも好きなときに発射できる。

命綱よりは楽なはずだ。

と思いつつ、オレは、勢いよく岩にかけた足を滑らせ、そのまま顔を崖にぶつけた。

ジャンが１０メートルくらい登ったのが見えた。

オレは登り始めた。

慎重に、そして素早く。

頭を使え。

体を動かせ。

重力に逆らうことがここまでつらいということが、改めて身にしみた。

足がつりそうなくらいきつい。

頂上を見る。

太陽が眩しい。

くっそ、頭がガンガン殴られてるみたいに痛い。

オレは垂直な崖を、体と立体起動装置を最大限に使って、とうとう３分の２くらい登れた。

ジャンとの距離は１メートルくらいだ。

よし、行ける。

足を思い切り岩に押し付ける。

そして体を持ち上げる。

ガスを噴射するのと同時に、岩を力いっぱい蹴る。

衝撃で一瞬ふらついたが、そのまま駆ける。

足がだるい。

だが、ジャンは目の前。

行ける！

その時、発射したワイヤーが、ふっと落ちてきた。

目の前の景色がぐらっと回った。

オレの足はいつの間にか崖から離れている。

オレは、落ちた。