第2話:海常家族の父* ページ5
洗濯を干し終わり、一通りの家事とお昼を終わらせた頃、彼はやってきた。
「やぁ、Aさん久しぶり。」
ドアの前に立ってたのは、少し...いや大分ふくよかな男性。
肉まんのような顔に丸太のような手足。
春だというのにポロシャツを着た男性を彼女はにこやかに迎えた。
「お久しぶりです、お義父さん。」
***
義父「いや、すまんな、急に立ち寄って。家内が煮しめを届けてくれと頼まれてな。」
A「わぁ、ありがとうございます!浩志と真也がお義母さんの煮しめ大好きなんです。」
義父「渋いなそれは;;真也はまだ小学生だろ?」
A「ふふ♪きっとあの人に似たんです……」
「お茶入れてきますね。」と彼女は台所に向かう。
彼の名は、武内源太。神奈川の私立高校の教師だ。
そして、息子たちのおじいちゃん、、、あの人の実のお父さんだ。
チーンと鈴を鳴らす音が聞こえる。
お義父さんもお義母さんも来るたびに手を合わせてくれる。
そりゃそうだ、大事な1人息子だったんだから。。。
A「お待たせしましたー。」
源太「あぁ、悪いなAさん。いただくよ。」
こちらを振り返り、笑う顔は写真の彼によく似ていた。
源太「皆はどうだ、元気にしてるか?」
A「元気ですよー。でもみんな春休みボケが抜けないみたいで、今朝は大変でしたー。」
源太「ははっ、それはどこの家もだ。うちの生徒たちもこの時期遅刻ギリギリなのが多い。まあ年中遅刻してるような奴もいるがな。」
A「そうなんですねー…どこのお家も一緒なんですねー…」
源太「 健 太 は後者だった。あいつはいくら起こしても置きなくてなー。」
健太というのは、お父さんの一人息子の名前。
そう。彼女の夫の名前は、武 内 健 太 というのだ。
A「健太さんは昔からそうだったんですねー…」
源太「あぁ、時間にルーズな奴だったからな。」
苦々しく言うが、言葉には愛が詰まっているのが良く分かる。
武内健太。
4年前、春の日に車道に飛び出した男の子を庇ってそのまま…。
男の子は無事だったけれど…
正義感が強い、彼らしい最期だった。
A「健太さんは、昔からどんなに遅刻してもあっけらかんに笑う人でした。
その笑顔に誰もが怒りを忘れてしまって、皆呆れて笑っちゃうんです。
だから、今もきっとあっちで笑ってると思います。」
源太「…………そうかもしれんな。」
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もちたろう(プロフ) - 【青空】さん» 最新話は青空ちゃんの為に書きましたwよかったら覗きに来て下さいましヽ(・∀・)ノ (2017年12月6日 21時) (レス) id: e570a6a628 (このIDを非表示/違反報告)
【青空】(プロフ) - もちたろうさん» うわぁああ(´;д;`)もちたろうさんお久しぶりです!!すごく返信遅くなってごめんなさい;;そしてごめんなさい、占ツク卒業できませんでした(笑)たぶん、これが終わったら今度こそ卒業します(笑) (2017年12月3日 23時) (レス) id: db1394b227 (このIDを非表示/違反報告)
もちたろう(プロフ) - 青空ちゃんが!!ヽ(・∀・)ノお久しぶりですー!!もちたろうですヽ(^ω^)ノ久々に復帰してみました!青空ちゃんが更新してて嬉しい!びっくりですヽ(・∀・)ノ (2017年12月1日 19時) (レス) id: e570a6a628 (このIDを非表示/違反報告)
【青空】(プロフ) - まりさん» ありがとうございますヽ(〃´∀`〃)ノ覚えていてくださった方がいるだけで嬉しいです。作者冥利につきます( ;∀;)更新かなり遅めですが宜しくお願いします (2017年10月3日 1時) (レス) id: db1394b227 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - 初コメ失礼します!!青空さんの書く小説が大好きです!!浦城ちゃん達も大好きで、イラスト集もずっと見せていただいてました!!また青空さんが書くみんなに出会えるとは感激です!!お体に気をつけて頑張ってください!! (2017年10月1日 21時) (レス) id: 5d42e363e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:【青空】 | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/p/sorairo749
作成日時:2017年9月11日 21時