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冷や汗で張り付いたシャツを脱いで、
口を濯ぎ鏡を見ると、
青白い自分の酷くやつれた顔が見えた。
脳裏に、愛おしい恋人の姿が浮かぶ。
「大ちゃん…」
縋りつきたい、抱きしめて、
抱きしめられたい、そう思った。
あの小さな体に飛びついて、
胸元に鼻先を埋めたい。
ぐりぐりと頭を押しつけて甘えて、
子どもみたい、猫みたい、と
鈴の鳴るような柔らかで軽やかな声で言ってほしい。
どうしたの？なんて聞かないで、
優しく頭を撫でてくれる。
それからきっと俺が落ち着くのを待って、
目で柔らかに話せそう？と聞いてくるから、
そしたら、
『…大ちゃん』って
いつもの言葉から始めさせてほしい。
どうしようもなく大ちゃんに触れたかった。
けれど、絶対に大ちゃんに触られたくなかった。
あの女の爪や唇や歯で刻まれたこの跡を
大ちゃんの繊細な指先で触れられたくなかった。
そんな汚いこと、させたくなかった。
児童書を年に一冊は出す子ども好きな大ちゃんが、
怪我をした子どもみたいに誰もいない道の真ん中で
俺が声もあげずに泣くのを、
大ちゃんが見たら
顔を歪めて痛そうな表情をするに違いないから。
そんな表情をさせたくなんかない。
見たくない。
青白い顔で上半身裸のまま洗面台に立つ俺を
見つけたマネージャーが
『お前どこに出掛けてたんだ』なんて言う。
撮影時間になっても来なかった俺を、
事務所の社長は理由も聞かずに叱りつけ、
深夜での撮影を強いられた。
女に攫われて襲われそうなった、
なんて言っても通じないんだろう。
こんなちんちくりんのみてくれ男には。
何事も女に有利な社会の中で、
理不尽に引き裂かれていく。
深夜に香水の宣伝用ポスターの撮影で、
言われるままに流し目をする自分や、
瞼を閉じた自分のモノクロの写真を撮りながら、
大ちゃんの身体を脳の中で追っていた。
柔らかい胸も、豊かな身体の曲線も、
女性特有の甘い香りもいらないから。
さらりとした髪と強い意思の灯った瞳を持つ目と、
うっすらと骨の浮く身体を引き寄せて
両腕で縛り付けてしまいたかった。
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パクリですよね？ - こちら某少年漫画の二次創作のパクリですよね？というか人物変えただけのものですよね？元作家さんに失礼なので即刻削除していただけますか？ (8月13日 17時) (
レス) id: 02a83ddde5 (このIDを非表示/違反報告)
べーちゃん(プロフ) - とても切なかったです泣 泣きそうになっていました。なんとなく仲直りしてよかったです泣 大ちゃん可愛かったです泣 (2017年10月24日 7時) (レス) id: 0bf64f6267 (このIDを非表示/違反報告)
sakuya(プロフ) - 面白かったです。Twitterフォローさせていただきました。 (2017年8月5日 0時) (レス) id: 9da49e1ebd (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - 続編うれしいです！楽しみにしてます頑張ってください！ (2017年6月2日 13時) (レス) id: 76d1d51b91 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)BLACK CAT(プロフ) - すごいですね。世界観もなにもかもすごいです!読んでいる間、なぜか泣くのではなく胸が締め付けられるというか、とても苦しくなりました。でも読み終わった瞬間に涙が止まらなくなってしまいました。続編楽しみです！ (2017年5月11日 0時) (レス) id: ca4e01bbc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ま つ り。
| 作成日時：2017年1月2日 15時
