21 ページ22
.
ばたん、
と大きな音を立てて大ちゃんの病室の扉を開く。
そこには
同時に振り返る大ちゃんと薮の姿がいて、
何だか高校時代の光景が不思議に脳裏に蘇ってつい笑ってしまった。
さっきがさっきだから驚きもすごいだろうな。
あんな荒れた様子を見せて、
今はこうも落ち着いているんだし。
薮には後で謝ろう。大ちゃんにも。
でも、まずはこれが先なのだ。
あぁくそ、
本当最初からこうしていればよかったんだ。
伊野ちゃん?
とぽかんと口を開けて俺を見ている
大ちゃんの前まで近づく。
威圧感が出てしまったのか知らないが、
思いっきり萎縮している大ちゃんの頬に触れた。
「い、のちゃん?」
「ねぇ、大ちゃん」
薮がいることなんて気にせず、
俺はつい自分が笑ってしまうのを感じた。
大ちゃんの目が俺だけを映している。
このキレイな瞳が、
俺は好きだったなぁ、なんて思いながら口を開いた。
「俺、大ちゃんのことが好きだよ」
「は、ぇ、………え?」
「ちょ…伊野ちゃんっ」
「だから俺、大ちゃんのことが好きなんだって」
「は、はあああ!??え、え?いきなり登場して、え?ええ?ちょ、伊野ちゃんどうしちゃったの、」
「大ちゃんは?」
「は、」
「返事、欲しいんだけど」
俺がそう言えば、
驚きに染まっていた顔が赤くなっていく。
「俺、大ちゃんのことが好き」
薮の息を呑む音が聞こえた。
大ちゃんはぽかんと俺を凝視している。
.
390人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
べーちゃん(プロフ) - 切ない話だったけどとても素敵でした泣 いのちゃんが強いな、すごいなと思いました。そして大ちゃんが可愛かったです。ハッピーエンドって言えるかどうかわからないけど、終わりが好きでした。 (2017年10月17日 7時) (レス) id: 0bf64f6267 (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - keiさん» コメントありがとうございます!始まったときから読んでいるとは…ありがとうございます!と同時に更新遅くて申し訳ない気持ちでいっぱいです(;;)そんな中最後まで着いてきて頂き、さらに何回も読んでくださるとは本当に嬉しいです…!次回作も頑張ります(´ヮ`*) (2016年12月20日 21時) (レス) id: 2cfd20ff13 (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - 初めまして。完結おめでとうございます!小説が始まったときからこっそり読ませて頂いてました。本当に素敵なお話で感動して、ホントに完結しちゃったって感じで通知欄に更新がないのが寂しいです…。でもこれからも何回も読ませて頂きます!これからも頑張って下さい! (2016年12月20日 19時) (レス) id: adb857be1d (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - ひまわりさん» コメントありがとうございます。号泣とは…!嬉しいです;_;たまに文章変かな?と思うときがあるのですがちゃんと伝わっているみたいで安心しました(笑)次の作品も今書いている途中なので気長に待って頂けると幸いです(*^-^*) (2016年12月20日 6時) (レス) id: 2cfd20ff13 (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - 乙音さん» コメントありがとうございます。なかなか更新出来なかったのですが、最後まで読んで頂き本当にありがとうございます;_;次の作品も素敵なものが出来るように頑張ります! (2016年12月20日 6時) (レス) id: 2cfd20ff13 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ま つ り。 | 作成日時:2016年9月6日 19時