コイワズライ ２

ただ好きなだけ ページ15

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陸side





陸「っなんでアンタが、「陸、落ち着いて。」っ、」


Ｈ「俺から説明するから。翔吾も座って？」




HIROさんが西さんの横に座って、
俺と翔吾が2人と向き合う形で座った。
隣を見れば、相変わらず感情の無い目で
遠くを見つめている翔吾。

その目から感じ取れるのは、何も無い。


こんな状態で話を聞くなんて
到底無理だと俺は隣でそう思ってたけど、
HIROさんはそんな事も気にせず話し始めた。




Ｈ「西さん、まず翔吾に言わなきゃいけない事あるよね？」


西「…っ、本当に、すいませんでした、！」


陸「〜っ謝って済む問題じゃ、」


翔「いいです、陸さん。謝ってくれただけで充分。」




この前までの威勢はどこ行ったんだってくらい
塩らしくなってた西さん。
HIROさんに促されて出た言葉は
嘘で固められた すいません では無い事は確か。

だけど、今まで苦しめられてきた翔吾の気持ちは
たった一言で片付けられるような物じゃない。
ずっと一人で、Aを守るために我慢し続けて、
なのにただ謝っただけで、そんな、…


ぐるぐるとそんな考えが頭の中を巡る。
どれだけ考えても、許せない気持ちが大きくて
目の前に座っている2人を直視出来なかった。
暫く沈黙が続いていた時、ぼそっと西さんが話し始めた。




西「ただ、岩谷さんが好きなだけだったんです、…それが歪んで、こういう形になったんです、っ、すいません、謝って済む事じゃないって分かってます、」


Ｈ「…西さん、自分から俺に話してくれたよ。翔吾に直接謝りたいって。前の事も、最近の事も反省してるみたいだし…翔吾は、許してあげられる？」


翔「僕は、もう、いいです。」


Ｈ「陸は？許せない？それだけ？」


陸「僕は、…翔吾がいいなら。僕は無関係なので…でも！貴方のせいで、翔吾がずっと苦しんでいた事はこれから先も忘れないでください。」


陸「…ですが僕も他のメンバーも、貴方の事、ずっと許さないので。」


Ｈ「…そうか。ありがとう。じゃあ西さん、さっき話したように今後一切LDHには近付かないと約束してくれる？」


西「、はい。本当に、すいませんでした、。」




西さんが部屋を出た時も、
少しも表情を変えなかった翔吾。


今、HIROさんの目にはどう映ってるんだろうか。

俺には命を宿さない人形のように見えてしまう、
それが何より怖くて辛い。

HIROさんが、翔吾を救ってくれると信じて。





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