朝日奈家長女は元神宮寺家長女でした！！？ PART7

Song106 ページ16

春歌「すごいです！」





カセットに入れていた曲が終わると少しの静寂を置いて春歌が席をたった。


頰を赤く染めて興奮した様子で手を叩く。



後輩の素直な感想に恋歌は少し照れながらもありがとう、と微笑んだ。




恋歌「...よし！音合わせおっけーー！」




にっこり、と笑う恋歌に周りの面々は目を点にした。

いくら素晴らしいと感じた歌であってもそれをたった一回の音合わせで大丈夫と言い切った恋歌に驚いたからだ。




嶺二「ちょ、ちょちょっと流石のれんちーでも一回って...」





じゃあ、邪魔者は退散するわねと言わんばかりに荷物をまとめ始めた恋歌の肩を揺さぶって嶺二が止める。


しかし、皆の心配とは裏腹に恋歌は静かに言い放った





恋歌「大丈夫。

今の合わせでどこが悪いのか、どうすれば良いのか。

全部わかったから」





そんな神業のような事できるはずないじゃないか、

作って1日2日の曲を一回の合わせで完璧になんてできない。


そう言いたい言葉は、妙な冷静さを見せた恋歌の声、瞳、仕草に圧倒される。


大丈夫じゃないが、彼女の大丈夫に丸め込まれた瞬間だった。



一瞬、ほんの一瞬の冷静さで告げた恋歌。

しかし、その次の瞬間にはいつものような天真爛漫笑顔を浮かべる。




恋歌「練習付き合って上げられなくてごめんね、

明日、頑張ってね！」




それだけ言って足早にレッスン室から飛び出した

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