第78話 ページ38
綱吉「でも、でも...
俺は会長がそうじゃない事を信じたいです！」
雲雀から告げられた事が果てしなく今の彼女に当てはまることは十分理解できていた。
それでも綱吉は駄々をこねる子供のように自分の理想像に彼女を当てはめていたいと思ったのだ。
このままじゃいけない、そう超直感で読み取ったのか自分の意志かはわからない。
けど、今言わないと後悔する。
そんな気がした。
綱吉「会長待ってください！」
震える声でモニターの先の彼女に叫んだ。
本来であれば、彼女は冷気包まれる箱の中で、綱吉の声なんて届くわけなかった。
けれど、彼女は彼が言葉を放ってすぐにその全ての動作をピタリととめ、首だけをモニターに向けた
A「何、かしら？」
いつもと変わらない笑顔。
一つの変化を挙げるとすれば、その瞳は死んでいるということ。
たった一つの変化に背筋を凍るような思いに突き落とされた綱吉は、なんて言えばいいのか分からず呼び止めたものの固まってしまった
しかし、綱吉が語りかける前にAがカメラの横に設置されたモニターに映し出された綱吉に問いかける
A「ね、綱吉。どうしたらいいと思う？」
綱吉「えっ？！お、おれ？」
A「正直ね。
殺すのも生かすのもどっちでもいいの。
…飽きちゃった」
ぼそりと呟く声はどこまでも冷たかった
綱吉「…俺にはわからないです。会長が今まで生きてきた人生も、考えも。
だから・・・どうするのがいいのかってことははっきりわからないですが、殺しちゃいけない気がします
会長はきっと後悔すると思うんです」
A「…じゃあ質問内容を変えるわ」
A「私があなたの前で人を殺めたらあなたはわたしに対してどう思う」
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作者名：雪乃
作成日時：2018年8月5日 17時
