【家庭教師ヒットマンREBOON!】あなたがいたから2 (ページ19)

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第59話ページ19

クロームの戦いは至って順調で、世界最強のアルコバレーノに引けを取らなかった。

成長した教え子の様子を至極客観的に観察していたAは嬉しそうに笑顔を見せて頷いていた。

クロームの三叉槍が破壊されるまで。

そして、突如出現するクロームの異変と周囲の考察から彼女の内臓を幻覚で補っていたことが理解できた。

彼女は珍しく焦燥を感じていた。

昨日と同じように傷の回復なら祈りの炎を扱いさえすれば、容易に可能である。連日の使用で体への負担は別として。

しかし、クロームは臓器自体が欠落している。

体内に全くの物質がないものを芽生えさせることが可能であるのか彼女は試した事などなかった。

要は、ただの傷であれば本体は残っているので、一のものを十まで回復できる。

クロームの場合、臓器自体がないため本体の生成ができるかどうかAにとって大きな賭けとなる。0のものを十にすることは難しいのだ。

その時に感じた焦燥感が背に冷や汗があることを酷く訴えていた

ーーーー心配に及びませんよ。いざとなれば奥の手を用意していますーーーー

昨夜精神世界で会話した骸の言葉を思い出してはAの苛立ちを助長した。

観覧席でもある赤外線感知式レーザーの設置により、現状Aが息も絶え絶えのクロームに出来ることはなく、骸の言葉の実行を待つしかなかった。

A(...あなたの仲間でしょう。何をやっているの)