第57話 ページ17
A「行きましょうか。」
クロームの手を取り、黒曜ランドをあとにした
余談ではあるが、先日ヴァリアー側に依頼しておいた修理費はプラスアルファー分で並盛中学生徒会執行部宛にしっかりと振り込まれていた。
野暮な話ではあるが彼女が懸念した、修繕費の未回収は防ぐことができた
並中の体育館に到着したとき、ふとクロームが呟いた
クローム「…私、うまくやれるか」
呟きを聞いて彼女の昨日の言葉が強がりであることをAは悟った
故に逆にAは安堵した
不安、恐怖のない人間などいない。
人間らしいクロームの一面を知ることができて彼女は、胸を撫で下した
A「大丈夫。貴女ならやれるわ」
にこりと笑って、力強く頷いた
城島や柿本はその姿を無言で見てから、先に体育館の扉に手を掛けた
二人が体育館に入室してすぐに中で激しく言い争う声が聞こえた
沢田「う…嘘だ
………霧の守護者って六道骸」
そしてその声を遮るようにクロームが入室した
クローム「クフフフフ クフフフフフフ
Lo mego
Il mio nome e` Chrome
Chrome 髑髏」
イタリア語交じりに自己紹介をする彼女に先ほどまでの迷いや不安はぬぐい取られていた
クロームの登場に困惑する一同であったし、このままだとクロームに対して猜疑心をぬぐいきれない獄寺が、その両手に構えるダイナマイトを投げてよこしそうであったため、弁明のためにAもその場に登場した
A「疑うのは結構。けれど、それは認めない。
彼女は彼女であって六道骸でないわ。」
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作者名：雪乃
作成日時：2018年8月5日 17時
