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そのあと、予告通りにフランクフルトとたこ焼きを平らげた私たち。
二階堂くんが言った通り、最初に焼きそば一個食べてたらお腹やばかった。
私より私のことわかってくれてるじゃん!って幸せな気持ちでいっぱいになる。
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「つか千賀たち遅くね?マジ、なにしてんの」
「…たしかに。美香からも連絡ないよ?」
「ま、いっか。」
「花火までまだ時間ありそうだね。どうする?」
「俺あれやりたい、…こっち」
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さり気なく繋がれた手。
恋人繋ぎみたいに指と指が絡まった繋ぎ方じゃなくて、ごくごく平凡な手と手が重なるタイプの繋ぎ方。
いつも綺麗だなと思っていた二階堂くんの大きな手が、緊張で汗ばんだ私の手を包み込む。
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「…っ//」
人混みをすいすい進む二階堂くんに手を引かれて、私も人にぶつからず歩けてる。
私の道を照らす太陽みたいであたたかい。
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"金魚すくい"
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そう書いてある出店の前で足を止めた。
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「金魚すくい、好きなの?」
「…おう」
さっきと同じ素っ気ない返事。
「…手、いつまで繋ぐの?」
「…わり」
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あ、離されちゃった。
今の質問、しなければよかったな。
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ポイをふたつ貰って、ひとつを手渡す時にまた手が触れて。
今度はちょっと意識しちゃってビクンとしてしまった。
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「一匹だけ黒い子がいる!私あの子すくいたい」
「じゃあ俺は一番デカいやつ」
二人で目標を定めて、いざ挑戦。
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「…!あー、破れちゃった…」
「もう?はえーよ(笑)」
私のボロボロに破れたポイを見てケラケラ笑う二階堂くん。
笑いすぎだよ、ってわざと膨れ顔したら、ポイを持ってない方の左手の人差し指でほっぺをちょいちょいっとつつかれた。
「っ////」
なに、今の。
照れてるのは私だけで、二階堂くんはお構い無しに金魚すくいを続ける。
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あれ…?二階堂くん、さっきまで一番大きい金魚狙ってたよね…?
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「うお、コイツ動きはえーな…」
小さい声で呟きながら悪戦苦闘してる二階堂くんが狙ってるのは
明らかに、さっきまで私が狙ってた黒い金魚。
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ドクンって心臓が高鳴って、鼓動がせかせかと脈打つ。
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「よっしゃ、取れた!!」
嬉しそうな顔でガッツポーズ決める二階堂くんが、袋に入った黒い金魚を「あげる」と私に手渡してくれた。
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ニカみー - いつもTwitterでも楽しませて頂いてます。更新楽しみにしてます!続きめっちゃ気になります… (2020年1月2日 19時) (レス) id: 2fae4f1faf (このIDを非表示/違反報告)
nika(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです。ドキドキします。更新楽しみにしてます。 (2019年9月2日 21時) (レス) id: 56b2cdb893 (このIDを非表示/違反報告)
ありぴろ(プロフ) - こつ姉ニヤニヤしたよありがとう(´nωn`) (2019年8月19日 19時) (レス) id: a8ba9e0a35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コツメ | 作成日時:2019年8月18日 19時