夏色花火

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夏は、キラキラ輝くものだ。


‥私にはそのキラキラは遠くて、いつも無縁だと思っていた。


…だけど。


高校二年生の夏。


私の青春もキラキラ輝き出すことになる。


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「ね、A！来週一緒に花火大会行かない？」


「花火大会、って…あの毎年やってる？」


「そう！去年は雨で中止だったけど、今年は晴れの予報だし、いつもより大きい花火上がるみたいよ。」


「花火かあ〜！…うん、いいね。行く！」


「よっしゃ決まり！ちなみに高嗣と千ちゃんもいるよっ」


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「…え？！に、二階堂くん？！」


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突然の名前に声が裏返った。


目の前には、ドヤ顔の親友。


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「たまたま千ちゃんと日直が一緒だった時にね、花火大会の話してたら誘われたの！毎年高嗣と二人で行ってるんだって。で、いいなあ〜って言ったらAちゃんも連れて四人で行かない？って！良かったね、A♪」



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バクバクの心臓を抑え込み、チラリと二階堂くんを盗み見る。


いっつも千賀くんと一緒にいるよなあ。


毎日笑ってるし、楽しそう。


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よほど暑いのか、ワイシャツはだらしなく第2ボタンが開いていて、スラックスは膝下まで折られてる。

おまけに、今朝校門の前で無料配布されてた大手予備校のうちわをパタパタ扇ぎながら。



そんな姿でさえ、眩しくて、キラキラで、太陽みたいで…


…つまり、大好き、なのだ。


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