夏色花火

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「は、お前何してんの」


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二階堂くんの視線の先には、


薄いピンクの浴衣に身を包んだ、超絶綺麗な女の人。


りんご飴を片手にキラキラ笑顔で微笑んでる。


自分が持ってる幼稚なわたあめを見て、


もうだいぶ溶けかかっていることにやっと気づいた。


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「お隣は…？」


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私の顔を覗き込むように問いかけられ、


ブワッと全身が羞恥で熱くなった。


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____...彼女だ！


ここに私いちゃダメ、絶対！


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「友達です、あの、二階堂くんありがとう。私帰るね。」


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精一杯冷静を装ってくるっと元来た道を引き返すと、


後ろの方で「あっ、おい！」って二階堂くんの声が聞こえた。


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" なんで慌てて手を離したの？ "


" あの人は彼女？ "

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聞きたいけど聞けない疑問ばっかり頭に浮かんで、モヤモヤ。


次第に早歩きになって、


ついには走り出した。


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ちょっとでも二階堂くんと一緒に過ごせて、よかったじゃん。


二階堂くんが私に笑顔向けてくれて、幸せだったじゃん。


…二階堂くんのこと、もっと好きになっちゃったじゃん。


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人生で初めての、大失恋。


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好きだった人には、綺麗な彼女さんがいました。


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