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「おばさんは？」
「飲み会。お父さんは仕事で出張。」
「なにそれ(笑)せっかく帰省してんのに相変わらず自由だなAんちは。」
「でしょー？言ってやってよ、もー。」
.
なんだかんだ私も普通に話しちゃってるし。
で、ワタちゃんの作る料理が信じられないほど美味しい。
パクパク食べる私を見て満足そうに笑うワタちゃん。
"美味しい？"とかわざわざしつこく聞いてきたりしないのが
なんか...らしいなって。
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「仕事どうなの？」
「ぼちぼちかなー。ワタちゃんは？昨日もテレビ出てたね。」
「見てたんだ？」
少しだけ嫌そうな顔をするのが気になって、その顔をする原因を知りたくなる。
「私がワタちゃんをテレビで見てるの、不満？」
「別に不満じゃないけど。」
「顔が機嫌悪いよ？」
「うるさいねAは。」
.
言いながらどんどん不満顔になるから、そこで探るのをやめた。
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無言でワタちゃんの料理を食べるこの状況、割と気まずいんだけど。
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「Aはさ、」
急に発された声に、あからさまにビクッとしてしまう
「…なに、」
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「彼氏とうまくいってる？」
「は？」
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そう聞いてきたワタちゃんの目は真っ直ぐで
でもどこか不安げで瞳が揺れてて
…なんていうか、すっごく頼りない顔をしてる。
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「私、彼氏なんていないけど？」
「へ？」
「なに？独り身の私いじめてんの？」
「いや、ごめん、…え？」
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二人で顔を見合わせる。
ビックリ顔のワタちゃんと、ちょっと怒り顔の私。
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「鈴木先輩とは別れたの？」
「ちょっとそれいつの話よ！もう2年前の話なんだけど(笑)」
「2年前…あー、そっか。」
妙に納得した表情。
.
会社の先輩、鈴木先輩とは2年前まで付き合ってた。
結局浮気されて別れたんだけど。
なんか悔しいからワタちゃんには言わない。
.
.
.
「ワタちゃんは？彼女とか、いるの？」
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.
アイドルにこんな質問、許されるわけないけど。
なんか今なら聞ける気がして。
.
.
続く
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作者名：コツメ | 作成日時：2019年6月10日 22時
