ライクをラブに変えるには -TN-

2 ページ2

なんやかんやで、食事会(?)当日。


.



「ミツ仕事で遅れるらしいから、先になんか飲んでれば？」


そう提案してくれるのは、瑠香の友達のユウヤさん。


都内の穴場にひっそり隠れるお洒落なダイニングバー。

バーとは言っても通されたのは個室のテーブルだった。


あんまりワイワイできなそう…って思ったけど、客層は割と若めで店内は程よくザワザワ。

うん、このぐらいが心地いい。


.


一杯目は2人しておんなじ色のカクテル頼んで、カチンとグラスを合わせる


「「乾杯〜」」



.


.


しばらく2人でキャッキャお酒飲んでたら、後ろから


.


「おつかれでーす」


.


.


「ん？あ、ユウヤさんの友達？」


.


突然綺麗な顔に覗き込まれた。


みみみみみみみっくん！！


変な汗が出てきて、隣にいた瑠香をそーっと見ると…あれ？なんだか全然冷静


「はじめまして！瑠香です」


なんて普通に自己紹介してるし。えっ


こんなに緊張してるの、わたしだけ？


.


「瑠香ちゃんねー北山です」


.


重さゼログラムなんじゃないかぐらいのサラサラ軽い口調でニコッと笑ったみっくん。瑠香ちゃん、だって。
瑠香ちゃん瑠香ちゃん瑠香ちゃん…


.


心の中で勝手にキャーキャー言ってたら、みっくんの視線が私に向けられる。


そっちの子は？って目。


.


「あ、Aです、」


ペコっと会釈したらまたニコってしてくれる。


あ、い、ど、る


.


着ていたコートを脱いで慣れた手つきでハンガーにかける。


「ユウヤくーん、俺生ね。ニカの分も」


奥の方にいるユウヤさんに聞こえるように、少し大きめの声を張る。


.


…ニカ？


聞き慣れた名前にそっと顔を上げると、入口の方でユウヤさんと立ち話してる男の人が目に入る。


あれ、ってもしかして…？


.


瑠香の方を見たら、さすがに口をあんぐり


「おーいニカ。女の子待たせてっから早く来いよ」


みっくんの声を聞いてこっちを一瞥して、向かってくるこの人は！


「…ざーす」


.


ざー、す？？？


目の前に現れたのは紛れもなくKis-My-Ft2二階堂高嗣、通称ニカちゃん！のはずなんだけど。

いつもニコニコで元気で可愛いなぁってイメージが、ガラガラと崩れていく音がする。


ざーす、って一体何語ですか？


困り顔なのか機嫌悪いのかなんなのか


ペコって浅く頭下げて、目の前の席にドサっと座った。

3→←1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す