[NOBLESSE]月詠の巫女 (ページ33)

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｢え？｣

椅子から立ち上がりAに歩み寄る。

｢私は、そなたをよく泣かすな....｡｣

自分でも何故泣くかわからなかった。

ただ、どこかで大事な記憶を置いてきたような...でもそれが何かは解らない。

｢そんなことはございません。自分でもよくわからず困惑しております。｣

｢もうすぐお昼です。またフランケンシュタインが研究したラーメンにしましょう。

ところで、何をされていたのですか？｣

｢これらを見ていた。｣

指を指した本棚を見ると、

[マスターのための21世紀生活白書

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著:フランケンシュタイン]全30巻

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著:フランケンシュタイン]全20巻

｢.........｡

ライジェル今度は私と近所を散策しましょうか...｡｣

ここに来たきり田代について行くか学校と家の往復以外出たことのないライジェル。

何でも気になることは積極的に訪ねたりチャレンジするAとはうって変わって、

寡黙で解らないことは必要なことでも教えてくれるまで待っているライジェルは、
本に頼りっきりだったと言うことが判明し、

唖然としていた。

｢(ムジャカに会うまでは、戦闘などの任務以外外にお出にならなかったというのは本当のようね....｡

フランケンシュタインは学校の事で忙しいから、ここは私の出番かしら。)｣

｢(あれ、でもこちらを作成する時間がおありなら、共に外出されることもできたはずでは.....?)｣

一方、来たときと表情が突如変わって、百面相しているAが理解できないライジェルであった。