・ ページ28
｢初全国かぁ｣
1つのストーブを囲みながら
｢なんかアレだな
遠出とかしてえよな
新幹線乗りてえ｣
夜久君の言葉に
｢来年、…あ、今年か
今年のIHってどこだっけ
遠くだったら応援行こうぜ｣
とクロ
｢出る前提かよ｣
なんてそんな風に笑う夜久君だって満更でもない顔をしている
｢いや、後輩を信じてよ｣
｢お、後輩｣
クロに続いた海君が
小銭入れを持って自販機周りをうろつく研磨の方へ顔を向ける
『ココア買いたいのかな』
飲み物を決めかねて話している他校の選手達は
研磨に気がつくと、｢座敷わらし!?｣と声を上げて驚いていた
｢目立つの大嫌いな研磨をとうとう全国まで引っ張り出しちゃったな｣
｢どう見ても全国大会出場のスポーツマンには見えねえよなぁ｣
ケラケラと笑うクロは
フイに真剣な顔になって
｢…バレー始めた頃から中学まで
研磨はよく特別練習がキツかった日とか試合の後とかに熱出してさあ｣
『……』
｢やっぱ引きずり込んだ身としては多少罪悪感があってですね｣
研磨が熱を出した日
クロはいつも眉を下げてそっと研磨の部屋へ様子を伺いに通った
ー
『クロ、今日は練習しないの？』
｢…ウン、研磨がいないから…｣
ー
「でも“全国”って大舞台まできたら、ちょっとはやってて良かったって思えるかなぁ
とかね、思うわけで」
そんなクロに感傷に浸らせる暇もなく
「研磨は割とそういうのどうでもいいんじゃねぇ？」
「夜久ってホントそういうのハッキリ言っちゃうよね」
「研磨の性格だぞ。本当に嫌ならさっさと辞めてるだろ」
なぁ、と海君がココアとゲームを片手ずつ抱えた研磨に話を振る
「研磨！寝る前のゲーム禁止っつってんだろ！
睡眠の質が落ちるでしょうが!!」
「…うん、まあ
本気でやめたくなったらやめるけど」
研磨はゲーム機をポケットにしまって
「でも一応クロに申し訳ないってのはなくも無かったよね
俺だって人に気を遣うこともあるよ」
「!!
改めて言われると結構ショック…！」
顔をひきつらせるクロに
「少しはあるってだけじゃん…
気を遣うって理由だけで毎日何時間も練習出来るワケないでしょ」
研磨はうげ、と顔を歪めながら続けた
「そもそもバレーが嫌いなら続けてない」
特別好きでもないけど、と付け足す研磨
「翔陽みたいに完全能動的に好き100%でやってる奴は稀だろうけど
アレはもう病気レベル」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 209人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りな∞(プロフ) - 黒尾ファンさん» コメントありがとうございます！やっとゴミ捨て場の決戦まで来れました🥰今後の展開も楽しんで頂けるように頑張ります💓 (4月15日 0時) (
レス) id: 2e61ee43e2 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - もう、どうなっていくのか、想像がつきませんこれからも頑張ってください！！ (4月14日 22時) (レス) @page33 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
りな∞(プロフ) - 黒尾ファンさん» コメントありがとうございます！ぜひバグり馴染み達の今後を一緒にお楽しみください🙌 (4月1日 14時) (レス) id: 071d7e6dbd (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 続き楽しみにしてますこれからどうなっていくのか楽しみです。応援してます (4月1日 0時) (レス) @page23 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
りな∞(プロフ) - みおさん» コメントありがとうございます！幼なじみと黒猫の関係も踏まえて今後も楽しんで頂けると嬉しいです💓 (3月23日 18時) (レス) id: a2c38d3b09 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りな∞
| 作成日時：2024年3月14日 9時
